戦象決戦、完勝! ラジェンドラ殿下、疑って悪うございました!
戦象を過信し、本陣が功に焦って突貫して討ち取られかけるという、第一王子の歴史的無策!
三倍の戦力差あれど、本陣とられちゃ意味がない!
戦象を過信しすぎたのだ……
が、その過信も納得の「生きた戦車」の突撃、まさに無敵でしたね!
■「兵器」には勝てなかったよ…
そんな、戦象を一蹴したのは「槍」射出機、むしろあんな兵器を急造したパルス軍がスゴいわ!
戦象以外には、あれほどの貫通力は必要ないので
作られなかったんでしょうけれど
そんな、戦象を一蹴したのは「槍」射出機、むしろあんな兵器を急造したパルス軍がスゴいわ!
戦象以外には、あれほどの貫通力は必要ないので
作られなかったんでしょうけれど
■長所は短所に
パルス暦321年二月、第一王子ガーデーヴィは、国軍最強の「戦象」以下十五万もの兵を動かし
対するラジェンドラは、城塞に留まるパルス軍一万を頼みに
五万の兵で挟み撃ちをかける。
パルス暦321年二月、第一王子ガーデーヴィは、国軍最強の「戦象」以下十五万もの兵を動かし
対するラジェンドラは、城塞に留まるパルス軍一万を頼みに
五万の兵で挟み撃ちをかける。
事実、“戦象部隊”の突進力は脅威となったが、小回りが利かぬ弱点でもあった。
ナルサスの罠に戦象部隊は壊滅し
また、戦象を過信し、突出したガーデーヴィ王子はダリューンに襲われ、辛くも戦線から離脱。
また、戦象を過信し、突出したガーデーヴィ王子はダリューンに襲われ、辛くも戦線から離脱。
再び対峙する王子兄弟に、国王は「両軍の代表者で決着をつけよ」と命を下す。
次回、第十七章「神前決闘」
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流れだけで、9万+戦象の差を埋める気ですか殿下ァ!?
ガーデーヴィ『王位簒奪を企てるラジェンドラを討つ! 大儀は我らにあり!』
ラジェンドラ『奴らは連戦連敗、流れは俺たちにある!』
流れだけで、9万+戦象の差を埋める気ですか殿下ァ!?
■「王道」の脅威
意外や、ラジェンドラはパルスを裏切ることなく、第一王子軍と先に激突する誠意を示した。
状況的には、両軍で「挟み撃ち」の格好
意外や、ラジェンドラはパルスを裏切ることなく、第一王子軍と先に激突する誠意を示した。
状況的には、両軍で「挟み撃ち」の格好
しかし、9万の戦力差は、そんなもので埋まるはずが無い。
純粋な戦力比の違い
劣勢側が、バカバカしい正面対決を始めつつあるが、それに乗ってやる義理は無い!
劣勢側が、バカバカしい正面対決を始めつつあるが、それに乗ってやる義理は無い!
ナルサスは一計を案じる―――。
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また、孤児ジャスワントを育て上げたマヘーンドラ宰相は、彼を第一王子から庇う。
彼もまた、本当に良い義父だったか…。
ガーディーヴィ『どのツラ下げて戻ってきたッ!』
マヘーンドラ宰相『お怒りはごもっともながら、どうか償いの機会を…』
また、孤児ジャスワントを育て上げたマヘーンドラ宰相は、彼を第一王子から庇う。
彼もまた、本当に良い義父だったか…。
マヘーンドラ宰相は、敵の策が上手だったと認める度量さえあった。
ガーディーヴィ殿下を危惧する宰相
それでも、「奴隷が産んだ王子」よりは、こちらに尽くすのが筋だと思えたのでしょうか…?
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一方、エラムの陣頭指揮で、パルス軍は「武器」を急ピッチで作らせつつあった。
無数の刃と、車輪の付いた馬車もどき
それでも、「奴隷が産んだ王子」よりは、こちらに尽くすのが筋だと思えたのでしょうか…?
ダリューン『いずれ殿下はヒルメス王子と対峙する事になろう』
ナルサス『その時には、再び殿下の器が問われる事になるだろうな…』
一方、エラムの陣頭指揮で、パルス軍は「武器」を急ピッチで作らせつつあった。
無数の刃と、車輪の付いた馬車もどき
また、二人の王子の戦いに、アルスラーンの未来をダブらせる。
■ラジェンドラの「計算外」
早くも二月、ようやく軍を揃えた第一王子を、数で劣るラジェンドラは自信満々に挑発する。
何故なら、「寒さ」で戦象は戦えないハズなのだ――――。
早くも二月、ようやく軍を揃えた第一王子を、数で劣るラジェンドラは自信満々に挑発する。
何故なら、「寒さ」で戦象は戦えないハズなのだ――――。
だが、戦象部隊は薬物で興奮しており、勇猛なラジェンドラ軍を一蹴!
ってか、コレ勝てるハズない!?
絶望的な強さ!
絶望的な強さ!
現実の紀元前でも、ヨーロッパで猛威を振るった「象」の脅威、恐るべし!
計算が甘かったのだ…!
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また、騎馬部隊に対し「槍を地面に固定し、槍の壁を作って対抗する」戦術は非常に有効
有効なんですが、象相手じゃ規模が違い過ぎィ!
そもそも固定してないし!
ラジェンドラ軍「槍」で対応する
また、騎馬部隊に対し「槍を地面に固定し、槍の壁を作って対抗する」戦術は非常に有効
有効なんですが、象相手じゃ規模が違い過ぎィ!
そもそも固定してないし!
■王子の決断
既に、騎馬隊どころじゃない状況ですが、頼みの綱の「一万のパルス軍」も城塞を包囲され
ラジェンドラ王子は覚悟を決める
既に、騎馬隊どころじゃない状況ですが、頼みの綱の「一万のパルス軍」も城塞を包囲され
ラジェンドラ王子は覚悟を決める
これ以上、俺についてきた者達を死なせるわけには……!
それが言えるだけ正しい。
少なくとも、この人は部下を思っている。
少なくとも、この人は部下を思っている。
が、そのパルス軍が、魔法のように側面から現れるというファンサービス!
おかげで、ラジェンドラ本陣は戦力を立て直す。
■「包囲軍」無力化
つまり、パルス軍はとっくにグジャラートを発しており、城塞は囮に過ぎなかったのだ。
第一王子軍は、2万もの軍が空振りに終わった
が、13万は健在。
つまり、パルス軍はとっくにグジャラートを発しており、城塞は囮に過ぎなかったのだ。
第一王子軍は、2万もの軍が空振りに終わった
が、13万は健在。
ご安心下さい。我らパルス騎馬隊の真価は、その機動力と柔軟な戦術にあります。
しかし、無敵無敗の戦象部隊に対し
パルスは対策は終えていた
パルスは対策は終えていた
要は、兵の移動の速度、方向転換で騎馬隊は遥かに優位。
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ダリューンら騎馬部隊は、正面から突撃すると思わせ、その進路を大きく転換する
急激な動きに、戦象部隊は「追う」ので精一杯
ガーデーヴィ『見ろ! パルス軍が引いていく、我が戦象部隊には勝てん!』
『パルス軍を追い込め、俺も出るぞ!』
ダリューンら騎馬部隊は、正面から突撃すると思わせ、その進路を大きく転換する
急激な動きに、戦象部隊は「追う」ので精一杯
それも、薬で高揚している為、止まる事を知らない!
■ジャスワント跳躍
その前方には、待機期間中に量産された『槍による巨大な弩弓』が密集、戦象たちを餌食とした
のみならず、戦功を焦って突貫したガーディーヴィもが
この包囲網に――――
その前方には、待機期間中に量産された『槍による巨大な弩弓』が密集、戦象たちを餌食とした
のみならず、戦功を焦って突貫したガーディーヴィもが
この包囲網に――――
殿下があの者をお助けになるのは、これで二度目でございます。
辛くも逃すジャスワント!
有能過ぎィ!
有能過ぎィ!
加えて、槍なら腕に覚えがあった第一王子、無謀すぎィ!
かくて指揮官逃亡、戦闘終了に――――。
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ガーデーヴィ軍は、戦象を含め9万も上回りながら、戦象を失った動揺と王子の逃亡によって
あっさりと戦いを放棄したらしい。
チャンディガルの野における戦いは終わった――――
ガーデーヴィ軍は、戦象を含め9万も上回りながら、戦象を失った動揺と王子の逃亡によって
あっさりと戦いを放棄したらしい。
やはり指揮官自ら、前線に出てはいけない。
■畜生の鑑
無論、ガーディーヴィも「逃げた」のが軍全体の敗北だったと理解し、ジャスワントを責める。
いやむしろ、突っ込んだアンタが一番悪い。
無論、ガーディーヴィも「逃げた」のが軍全体の敗北だったと理解し、ジャスワントを責める。
いやむしろ、突っ込んだアンタが一番悪い。
ワシは…、補佐する相手を間違ったのかもしれん……。
遅いよ宰相様!
が、思ったよりマトモな人ですね宰相様!
が、思ったよりマトモな人ですね宰相様!
それでも、既に後の祭りの事態、持久戦で勝利を掴もうと考えていたが――――。
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ワシも知恵に限りある身、この裁断は神々にお任せするほかあるまい――――。
臣下『急報です、国王陛下が目を覚まされました!』
国王陛下『―――大方、見苦しい兄弟喧嘩をしておるといったところか』
ワシも知恵に限りある身、この裁断は神々にお任せするほかあるまい――――。
■神前決闘
が、病床の「シンドゥラ国王」が目覚め、状況を察するや“神前決闘”を発令した。
代表同士、一対一の決闘をせよ、と。
が、病床の「シンドゥラ国王」が目覚め、状況を察するや“神前決闘”を発令した。
代表同士、一対一の決闘をせよ、と。
シンドゥラの王様は、よっぽど自分で責任を取るのがお嫌いらしいな………。
ギーヴさん辛辣
だが、白黒つけねば国民も納得しない事態。
だが、白黒つけねば国民も納得しない事態。
何より神前決闘とは、僅か「一人の犠牲だけ」で決着がつく、効率の良い決戦だった。
数に劣るパルスには、願ってもないといえる。
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まあ、第一王子も腕は立つらしいし、王子の直接決闘なら妥当なところか……
かと思われた。
ラジェンドラ『この神前決闘だが、代理人に戦わせることもできる』
『そこで、折り入って頼みがあるのだが――――』
まあ、第一王子も腕は立つらしいし、王子の直接決闘なら妥当なところか……
かと思われた。
が、ラジェンドラは深々と頭を下げ、「代理人」にダリューンを指名!
■次回、ラジェさん怒られる
意外や、ラジェンドラも宰相閣下も誠実、第一王子は無策で、ナルサスは腹黒だった!
あんな兵器、量産・配備する時間なかったでしょ!
意外や、ラジェンドラも宰相閣下も誠実、第一王子は無策で、ナルサスは腹黒だった!
あんな兵器、量産・配備する時間なかったでしょ!
と思ったら十五万動員するのに、二ヶ月もかかってたのね。なるほど…。
そして「決着」は決闘に!
なんて前時代的な…、いや前時代なんですけど!
なんて前時代的な…、いや前時代なんですけど!
次回、第十七章「神前決闘」
■関連観想記事
第十一章「ペシャワールへの道」
第十二章「騎士の忠義」
第十三章「王子二人」
第十四章「異国の王子」
第十五章「シンドゥラの黒豹」
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現実でも、ヨーロッパに持ちこまれ猛威を振るった「戦象」ですが、紀元前で役割を終えました。
突進力は凄いものの、小回りが効かない為
分散攻撃で倒されたのです
第十一章「ペシャワールへの道」
第十二章「騎士の忠義」
第十三章「王子二人」
第十四章「異国の王子」
第十五章「シンドゥラの黒豹」
『戦象部隊』と機動力
現実でも、ヨーロッパに持ちこまれ猛威を振るった「戦象」ですが、紀元前で役割を終えました。
突進力は凄いものの、小回りが効かない為
分散攻撃で倒されたのです
象に対し、迎え撃つ軍は味方同士の間隔を広く取り、その突撃を回避、脚を狙ったそうな。
その後もインドなどでは主力。
タイ王国では、20世紀初頭まで軍事用として使い続けたそうな。
タイ王国では、20世紀初頭まで軍事用として使い続けたそうな。