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Channel: GNO2及びGNO3 連邦 情報部 こっそり日記
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アルスラーン戦記 第五章「王都炎上 ~前編~」感想、崩壊前夜。万騎長、誇りある死!

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無敵の壁の内なる穴、“奴隷制度”が牙を剥く! ナルサスの懸念はコレか!

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 嗚呼、“廃止すべき”と評された奴隷制度は牙を剥き、無敵の王都は陥落す! 謳っとる場合かァ!
 上層部の余裕っぷりは、兵と城壁への信頼なのでしょうね
 ですが謳っとる場合かァ!

 エクバターナの人々よ! 俺を矢で射殺してくれ! 蛮人に嬲り殺されるより、味方の矢で死にたい!

吟遊詩人(強い)
 また、王かと思いきや「王を信じようとした万騎長」シャプールが無残な姿で現れ、誇りある死を…!
 彼を射殺したのは、凄腕弓兵の定番“詩人”ギーヴ!

 王子と偽ってましたが、なんかホントにどっかの王子っぽい放蕩者っぷり。強い(確信)。

『それとエラムよ、お前はギランの港町の知人に預かって貰う事にする』

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 エラム君、開幕リストラ宣言。

王都陥落の狼煙
 パルス暦320年、カーラーンの虚を突くべく、アルスラーン達が慎重策をとっていた
 王都に迫ったルシタニア軍は、捕虜とした万騎長シャプールを嬲り
 城に篭るパルス軍を挑発していた。

 幸か不幸かシャプール自身の望みで、流れ者の楽士ギーヴが彼を殺害、戦いは『攻城戦』へ。

 堅固な城砦は一昼夜もの猛攻を余裕で凌ぐが
 策へ切り替えたルシタニアは、城内の奴隷に『お前達を解放する』と訴え、内部分裂を起こさせる。

 次回、第五章「王都炎上 ~前編~」

エラム『ナルサス様は、一人では何も出来ないではありませんか!』

殿下『私からも頼む』

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 実はナルサス、エラムを心配し港町ギランの友人へ預けようとしたのだが、彼自身がこれを固辞。
 忠義、それにナルサスは生活能力絶無ではないか!

 私からも頼む。我らの中で、こんなに美味な食事を作れるものが他にいるか!?

 何より、殿下の切実なツッコミに一同納得。
 エラムを加え、敵の馬を奪い、いざ逃避行と決め込むのだったが――――。

ナルサス『今すぐ山を降りれば、カーラーンとの戦いは避けられません――――』

『やりすごし、“敵の包囲網を逆用する”道を考えましょう』

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 実地教育は基本。

軍師、若人に説く
 カーラーン勢は退路は既に塞いだと笑うのだが、実は逃げると見せかけ、山中に留まっていた
 敵に「逃がさぬよう」布陣させ、敢えて留まったわけだ。

 自分達の望む場所に、敵の兵力を集中させる……、それがまず“戦法”というものの第一歩です

 今、敵は「逃がさない」為にふもとに戦力を集中させている。
 だが実際は山中に居る。

 このように、敵の動きをコントロールする事が戦法の第一歩だ、とナル卿は語る。

ナル『武勇があろうとも、それを使い切る前に勝利を収めるのが戦法の価値です』

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 正面から競い合うのではなく、相手が力を出し切る前に、勝利を収める事が出来る。
 それが出来るのが“戦法”の価値だという。

 敵が10、こちらが3でも、相手が2しか出せない状況に追い込めば勝てる。

アルスラーン『ダリューンは私の為に、大軍の中を突破してくれたが?』

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 対する生徒、殿下は一騎当千のダリューンを例に挙げ、強行突破した様を指摘した。
 それをナルサスは、個人の勇だと評価。

 いわく、指揮官たるものは、最も弱い兵士を活かして勝つ方策を考えねばならない

 アテにしてはいかんのです。

ナルサス『兵の強さに溺れ、戦法を軽んじた時――――』

『ひとたび事態が狂えばどうなるか、殿下ご自身が経験なさったことでしょう』

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 自らは弱いと考え、作戦は立てるもの。

王の役割
 対し、兵の強さをアテにしすぎ“戦法”を軽んじた王は、『兵の強さ』が無力化された時点で積んだ。
 これが『強さ』に頼る軍の脆さ。

 のみならず、軍への信頼が『戦って解決する』手段に偏らせ、王は政治的解決を怠ったと糾弾。

 指揮官は、個々人が弱くても勝つ“戦法”を練り
 また王は現場が無能でも、上の立場から方策を用意しておく。

 政治的解決や、有能な補佐役の配置、指揮官交代、軍の装備刷新、指導者ならではの役割があるのです

万騎長キシュワード『何かあったのですか!?』

万騎長バフマン『我が軍は大敗、王の行方は知れず、敵は城外まで迫っている』

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 郊外の砦に温存された戦力、軍再建の要となるか?

異端審問間、吼える
 一方、ルシタニア軍は王都まで侵攻し、残虐にも、万騎長シャプールを晒し者としていた。
 彼らは自らの宗教の正しさを謳い、異教徒は苦しめと叫ぶ。

 神に逆らう者の末路を、異教徒どもに思い知らせてやろうぞ!

 残虐…!
 文化と宗教の激突。

 自らと違う考えは劣った考え、蛮族だと謳う、ド畜生神父ボダン。

大司祭ボダン『この異教徒め! 獣め、神の敵めぇ!』

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 筋骨隆々としたシャプールが、ズタズタの身体を拘束され、杖が折れるまで殴られる無残さ
 元々、西方宗教のお偉いさんであるボダン司祭は
 罵りを受けて激昂――――。

 弱いものいじめ? いえ本来は万騎長は強く誇り高いはずで、それが不名誉に打ち据えられるのが無残。

 こんなクソ爺ごとき、本来なら片手で殺せそうなのに……。

パルス軍『シャプール様を助けろ!』『矢で狙え!』

ボダン大司祭『バカめ。この距離で矢など届くか! ほれほれ!』

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 てっきり爺も射殺されるのかと。生き残るんだ、このヒト………。

一矢、誇りを護る
 要は、堅固な城壁を持つパルスに『城から出て、シャプールを救って見せろ』と挑発したらしい。
 矢が届かぬ距離で、彼を嬲り殺しにしようとするが―――

 エクバターナの人々よ! 俺を矢で射殺してくれ! 蛮人に嬲り殺されるより、味方の矢で死にたい!

 シャプールは、城から出ずに自分を殺せと必死に叫び
 これにたった一本の矢が応えた。

 パルス、エクバターナの弓技術では届かない、驚くほど長距離から射殺した者とは――――。

タハミーネ王妃『そなた、名は?』

弓兵『ギーヴと申します。旅の楽士をしております――――』

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 cvはKENNさん、遊戯十代にして竜神翔悟。こういう演技も出来るんだ……。

エクバターナ攻防戦
 やがて、攻城兵器をも無数に持ち込んだルシタニアと、城壁を利したパルス決死の攻防を他所に
 城内では、王妃が「楽士」を招き入れていた。
 だがこの楽士

 アレは俺の夢で、お主はその夢を一夜俺と共有したのだよ―――。せっかくの麗しい夢を。

 城の侍女を、「異国の王子だ」と偽ってたらしこみ
 なおかつ恥じぬ放蕩者。

 これすなわち、世にいう女の敵という奴にございます。

タハミーネ『そなたの能弁は解りました』

『この上は、本来のそなたの職業について、技を見せてもらうべきでしょうね?』

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 その恥知らずな長広舌にも怒らず応えた王妃は、楽士なら、その技で語って見なさいと促し
 ギーヴは楽器を奏で、軍王カイ・ホスローの歌を奏でる。

 実在のペルシアの叙事詩に描かれる、邪竜の化身、1000年君臨した王ザッハークの軍勢との戦い。

 類稀なき勇者カイホスロー
 その天命を継ぐ者は、果たして誰であろうか、そういった歌だったようだ。

タハミーネ王妃『金貨200枚を褒美に取らせます』

ギーヴ『(シワいなぁ…、500枚はくれるものと思ったのに……)』

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 見事な武勲と歌だったが、侍女を騙くらかした分をディスカウントされたらしい。
 王妃、なかなかにちゃっかりというか
 義理堅いというか。

ナル『王都の城門は堅牢です。しかし、いかに堅牢といえど破る方法はあります』

アルスラーン『たとえば―――、内側から開けるという事か?』

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 十を語る必要の無い殿下に、うん!と応えるナルさんが嬉しげ!

王都のアキレス腱
 落ち着きかえったパルス上層部、その落ち着きは『城壁への絶対の信頼』と言い換えられただろう。
 だが、軍師に促されたアルスラーンは、その弱点に気付く。

 もし私がルシタニア軍の指導者であれば、弓矢や剣よりも、言葉を以って扉を開いてみせましょう

 正面攻撃を中断し、扇動へと切り替えたルシタニア軍
 彼らは、城内の奴隷へと呼びかける。

 場外の残虐な風景を知らぬ奴隷たちに、寝返る事が、自由への道だと叫び始めたのだ――――。

予告『少なくとも銀仮面の男自身は、自分に正義ありと疑っていなかった……』

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 同じくマガジン系でガンガン系、渡辺静(旧ペンネームは栖徒伊シズム)先生。

タイトルネタバレ
 約束された陥落、その発端までを丁寧に描いてゆくエクバターナ、最後の繁栄。
 てっきり、王様が出てくるのかと……。

 王都陥落と銀仮面卿の登場、彼の正体に触れるのでしょうか?

 また、シャプールと『王が裏切った』と口論した万騎長クバード卿は生死不明。
 生き延びてるって事ですかね?

 次回、第六章「王都炎上 ~後編~」



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