無敵の壁の内なる穴、“奴隷制度”が牙を剥く! ナルサスの懸念はコレか!
嗚呼、“廃止すべき”と評された奴隷制度は牙を剥き、無敵の王都は陥落す! 謳っとる場合かァ!
上層部の余裕っぷりは、兵と城壁への信頼なのでしょうね
ですが謳っとる場合かァ!
エクバターナの人々よ! 俺を矢で射殺してくれ! 蛮人に嬲り殺されるより、味方の矢で死にたい!
■吟遊詩人(強い)
また、王かと思いきや「王を信じようとした万騎長」シャプールが無残な姿で現れ、誇りある死を…!
彼を射殺したのは、凄腕弓兵の定番“詩人”ギーヴ!
また、王かと思いきや「王を信じようとした万騎長」シャプールが無残な姿で現れ、誇りある死を…!
彼を射殺したのは、凄腕弓兵の定番“詩人”ギーヴ!
■王都陥落の狼煙
パルス暦320年、カーラーンの虚を突くべく、アルスラーン達が慎重策をとっていた頃
王都に迫ったルシタニア軍は、捕虜とした万騎長シャプールを嬲り
城に篭るパルス軍を挑発していた。
パルス暦320年、カーラーンの虚を突くべく、アルスラーン達が慎重策をとっていた頃
王都に迫ったルシタニア軍は、捕虜とした万騎長シャプールを嬲り
城に篭るパルス軍を挑発していた。
幸か不幸かシャプール自身の望みで、流れ者の楽士ギーヴが彼を殺害、戦いは『攻城戦』へ。
堅固な城砦は一昼夜もの猛攻を余裕で凌ぐが
策へ切り替えたルシタニアは、城内の奴隷に『お前達を解放する』と訴え、内部分裂を起こさせる。
策へ切り替えたルシタニアは、城内の奴隷に『お前達を解放する』と訴え、内部分裂を起こさせる。
次回、第五章「王都炎上 ~前編~」
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実はナルサス、エラムを心配し港町ギランの友人へ預けようとしたのだが、彼自身がこれを固辞。
忠義、それにナルサスは生活能力絶無ではないか!
エラム『ナルサス様は、一人では何も出来ないではありませんか!』
殿下『私からも頼む』
実はナルサス、エラムを心配し港町ギランの友人へ預けようとしたのだが、彼自身がこれを固辞。
忠義、それにナルサスは生活能力絶無ではないか!
私からも頼む。我らの中で、こんなに美味な食事を作れるものが他にいるか!?
何より、殿下の切実なツッコミに一同納得。
エラムを加え、敵の馬を奪い、いざ逃避行と決め込むのだったが――――。
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実地教育は基本。
エラムを加え、敵の馬を奪い、いざ逃避行と決め込むのだったが――――。
ナルサス『今すぐ山を降りれば、カーラーンとの戦いは避けられません――――』
『やりすごし、“敵の包囲網を逆用する”道を考えましょう』
実地教育は基本。
■軍師、若人に説く
カーラーン勢は退路は既に塞いだと笑うのだが、実は逃げると見せかけ、山中に留まっていた。
敵に「逃がさぬよう」布陣させ、敢えて留まったわけだ。
カーラーン勢は退路は既に塞いだと笑うのだが、実は逃げると見せかけ、山中に留まっていた。
敵に「逃がさぬよう」布陣させ、敢えて留まったわけだ。
自分達の望む場所に、敵の兵力を集中させる……、それがまず“戦法”というものの第一歩です。
今、敵は「逃がさない」為にふもとに戦力を集中させている。
だが実際は山中に居る。
だが実際は山中に居る。
このように、敵の動きをコントロールする事が戦法の第一歩だ、とナル卿は語る。
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正面から競い合うのではなく、相手が力を出し切る前に、勝利を収める事が出来る。
それが出来るのが“戦法”の価値だという。
ナル『武勇があろうとも、それを使い切る前に勝利を収めるのが戦法の価値です』
正面から競い合うのではなく、相手が力を出し切る前に、勝利を収める事が出来る。
それが出来るのが“戦法”の価値だという。
敵が10、こちらが3でも、相手が2しか出せない状況に追い込めば勝てる。
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対する生徒、殿下は一騎当千のダリューンを例に挙げ、強行突破した様を指摘した。
それをナルサスは、個人の勇だと評価。
アルスラーン『ダリューンは私の為に、大軍の中を突破してくれたが?』
対する生徒、殿下は一騎当千のダリューンを例に挙げ、強行突破した様を指摘した。
それをナルサスは、個人の勇だと評価。
いわく、指揮官たるものは、最も弱い兵士を活かして勝つ方策を考えねばならない。
■王の役割
対し、兵の強さをアテにしすぎ“戦法”を軽んじた王は、『兵の強さ』が無力化された時点で積んだ。
これが『強さ』に頼る軍の脆さ。
対し、兵の強さをアテにしすぎ“戦法”を軽んじた王は、『兵の強さ』が無力化された時点で積んだ。
これが『強さ』に頼る軍の脆さ。
のみならず、軍への信頼が『戦って解決する』手段に偏らせ、王は政治的解決を怠ったと糾弾。
指揮官は、個々人が弱くても勝つ“戦法”を練り
また王は現場が無能でも、上の立場から方策を用意しておく。
また王は現場が無能でも、上の立場から方策を用意しておく。
政治的解決や、有能な補佐役の配置、指揮官交代、軍の装備刷新、指導者ならではの役割があるのです
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郊外の砦に温存された戦力、軍再建の要となるか?
万騎長キシュワード『何かあったのですか!?』
万騎長バフマン『我が軍は大敗、王の行方は知れず、敵は城外まで迫っている』
郊外の砦に温存された戦力、軍再建の要となるか?
■異端審問間、吼える
一方、ルシタニア軍は王都まで侵攻し、残虐にも、万騎長シャプールを晒し者としていた。
彼らは自らの宗教の正しさを謳い、異教徒は苦しめと叫ぶ。
一方、ルシタニア軍は王都まで侵攻し、残虐にも、万騎長シャプールを晒し者としていた。
彼らは自らの宗教の正しさを謳い、異教徒は苦しめと叫ぶ。
神に逆らう者の末路を、異教徒どもに思い知らせてやろうぞ!
残虐…!
文化と宗教の激突。
文化と宗教の激突。
自らと違う考えは劣った考え、蛮族だと謳う、ド畜生神父ボダン。
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筋骨隆々としたシャプールが、ズタズタの身体を拘束され、杖が折れるまで殴られる無残さ
元々、西方宗教のお偉いさんであるボダン司祭は
罵りを受けて激昂――――。
大司祭ボダン『この異教徒め! 獣め、神の敵めぇ!』
筋骨隆々としたシャプールが、ズタズタの身体を拘束され、杖が折れるまで殴られる無残さ
元々、西方宗教のお偉いさんであるボダン司祭は
罵りを受けて激昂――――。
弱いものいじめ? いえ本来は万騎長は強く誇り高いはずで、それが不名誉に打ち据えられるのが無残。
こんなクソ爺ごとき、本来なら片手で殺せそうなのに……。
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てっきり爺も射殺されるのかと。生き残るんだ、このヒト………。
パルス軍『シャプール様を助けろ!』『矢で狙え!』
ボダン大司祭『バカめ。この距離で矢など届くか! ほれほれ!』
てっきり爺も射殺されるのかと。生き残るんだ、このヒト………。
■一矢、誇りを護る
要は、堅固な城壁を持つパルスに『城から出て、シャプールを救って見せろ』と挑発したらしい。
矢が届かぬ距離で、彼を嬲り殺しにしようとするが―――
要は、堅固な城壁を持つパルスに『城から出て、シャプールを救って見せろ』と挑発したらしい。
矢が届かぬ距離で、彼を嬲り殺しにしようとするが―――
エクバターナの人々よ! 俺を矢で射殺してくれ! 蛮人に嬲り殺されるより、味方の矢で死にたい!
シャプールは、城から出ずに自分を殺せと必死に叫び
これにたった一本の矢が応えた。
これにたった一本の矢が応えた。
パルス、エクバターナの弓技術では届かない、驚くほど長距離から射殺した者とは――――。
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cvはKENNさん、遊戯十代にして竜神翔悟。こういう演技も出来るんだ……。
タハミーネ王妃『そなた、名は?』
弓兵『ギーヴと申します。旅の楽士をしております――――』
cvはKENNさん、遊戯十代にして竜神翔悟。こういう演技も出来るんだ……。
■エクバターナ攻防戦
やがて、攻城兵器をも無数に持ち込んだルシタニアと、城壁を利したパルス決死の攻防を他所に
城内では、王妃が「楽士」を招き入れていた。
だがこの楽士
やがて、攻城兵器をも無数に持ち込んだルシタニアと、城壁を利したパルス決死の攻防を他所に
城内では、王妃が「楽士」を招き入れていた。
だがこの楽士
アレは俺の夢で、お主はその夢を一夜俺と共有したのだよ―――。せっかくの麗しい夢を。
城の侍女を、「異国の王子だ」と偽ってたらしこみ
なおかつ恥じぬ放蕩者。
なおかつ恥じぬ放蕩者。
これすなわち、世にいう女の敵という奴にございます。
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その恥知らずな長広舌にも怒らず応えた王妃は、楽士なら、その技で語って見なさいと促し
ギーヴは楽器を奏で、軍王カイ・ホスローの歌を奏でる。
タハミーネ『そなたの能弁は解りました』
『この上は、本来のそなたの職業について、技を見せてもらうべきでしょうね?』
その恥知らずな長広舌にも怒らず応えた王妃は、楽士なら、その技で語って見なさいと促し
ギーヴは楽器を奏で、軍王カイ・ホスローの歌を奏でる。
実在のペルシアの叙事詩に描かれる、邪竜の化身、1000年君臨した王ザッハークの軍勢との戦い。
類稀なき勇者カイホスロー
その天命を継ぐ者は、果たして誰であろうか、そういった歌だったようだ。
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見事な武勲と歌だったが、侍女を騙くらかした分をディスカウントされたらしい。
王妃、なかなかにちゃっかりというか
義理堅いというか。
その天命を継ぐ者は、果たして誰であろうか、そういった歌だったようだ。
タハミーネ王妃『金貨200枚を褒美に取らせます』
ギーヴ『(シワいなぁ…、500枚はくれるものと思ったのに……)』
見事な武勲と歌だったが、侍女を騙くらかした分をディスカウントされたらしい。
王妃、なかなかにちゃっかりというか
義理堅いというか。
■王都のアキレス腱
落ち着きかえったパルス上層部、その落ち着きは『城壁への絶対の信頼』と言い換えられただろう。
だが、軍師に促されたアルスラーンは、その弱点に気付く。
落ち着きかえったパルス上層部、その落ち着きは『城壁への絶対の信頼』と言い換えられただろう。
だが、軍師に促されたアルスラーンは、その弱点に気付く。
もし私がルシタニア軍の指導者であれば、弓矢や剣よりも、言葉を以って扉を開いてみせましょう。
正面攻撃を中断し、扇動へと切り替えたルシタニア軍
彼らは、城内の奴隷へと呼びかける。
彼らは、城内の奴隷へと呼びかける。
場外の残虐な風景を知らぬ奴隷たちに、寝返る事が、自由への道だと叫び始めたのだ――――。
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同じくマガジン系でガンガン系、渡辺静(旧ペンネームは栖徒伊シズム)先生。
予告『少なくとも銀仮面の男自身は、自分に正義ありと疑っていなかった……』
同じくマガジン系でガンガン系、渡辺静(旧ペンネームは栖徒伊シズム)先生。
■タイトルネタバレ
約束された陥落、その発端までを丁寧に描いてゆくエクバターナ、最後の繁栄。
てっきり、王様が出てくるのかと……。
約束された陥落、その発端までを丁寧に描いてゆくエクバターナ、最後の繁栄。
てっきり、王様が出てくるのかと……。
王都陥落と銀仮面卿の登場、彼の正体に触れるのでしょうか?
また、シャプールと『王が裏切った』と口論した万騎長クバード卿は生死不明。
生き延びてるって事ですかね?
生き延びてるって事ですかね?
次回、第六章「王都炎上 ~後編~」