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エンバーミング 9巻 [和月伸宏]感想、アシュヒト&エルム、完結編。この親子、なんて即断即決なのか……

天才Dr.リヒター心機一転ッ! アシュヒト、「エルム」への決断を下す

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※画像右下隅クリックで拡大。アシュヒト、止まった時間が動き出す

 ラスボスかと思われたDrリヒター、まさかの即退場。これは予想外すぎた!
 けれど彼が狂っていった流れは、短くも印象的
 あれは狂うわ……。

 共に歩む歳月が、記憶と人格をつくり…、魂や心を育むのならば――――

「欠落」を認める勇気
 愛しい少女を、仮に生き返らせることが出来たとしても、「あの日からの続き」なんて叶わない
 もう、二度と「会うことは出来ない」と認め
 安らかに葬ったアシュヒト。

 エルムとどうか幸せに。

アシュヒトの悲嘆と共に、父、散る

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 エルムは「完全な模造品」だった。それが、歪んだ家族愛だと気付かぬトーチャン……。

■旅の終わり
 タイガーリリィを突破したジョン・ドゥは、高貴なる女性からの親書を「死体卿」に渡すべくアバー・ダッシュ!
 だが、ようやく見つけた死体卿は「人間」の手で八つ裂きにされていた。

 一方、アシュヒトは狂ってしまった父と、ポーラールートの領主グロースを間接的に葬る事となる。

 父Drリヒターは、妻の死をきっかけに狂い、「元の人格を崩さぬ人造人間」の開発に没頭
 自らとアシュヒト、そして密かに保管していた本物のエルム
 不老不死の家族を作ろうとしていたのだ。

 だがアシュヒトはその考えを否定、母と本物のエルムの死体を打ち砕き、エルムと共に旅立つ事を決めた

自分が「歪んでいる」と自覚していた研究者は、望外の幸福に「狂う」

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 このニヤケっぷり! ホントに幸せだったんだろうなぁ、と。

■「天才」と取り柄
 劇中、他人の気持ちを一切斟酌せず、人造人間エルムに手ひどい言動を繰り返した外道リヒタ-。
 しかし彼が狂った理由から、私は嫌いになりきれませんでした。

 人造人間研究の権威で、でも、それ以外には何も出来ない歪な人間、それを自覚していた。

 だからこそ、予期せぬ幸福な家庭を得たのが、とんでもなく嬉しかったはずです。
 そして、「天才」なだけが取り柄だと自覚しているのに
 その彼が妻を病から救えなかった。

 それがどれだけ彼を痛めつけたか、想像するだに余りある人でした。そして凄い変人でした。

「親友」ってなんだ!?

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 しかし、前述の通り他人の心がわからない、歪んだ天才が狂ったという狂人の二乗!
 その結果ボケツを掘りぬいた挙句、この上ないマヌケな死!
 なんてキャラだ!

 ホント、この最後は情けなかった!

 でもそれでこそ、Drリヒターに相応しい最期だったと思います。いやマジでマジで。

逆に、今巻も蝶・格好良かったぜアバーライン!

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 勝利を目前にしたジョン・ドゥに、端的に言い放った一言。
 これがとてもつもなく格好良かった!
 パンツ一丁だけど!

 このやり方は駄目だ、正しくない。

 これが「アバーラインならそう言うよな」と思えてしまった辺り、和月先生の術中ですね。フハハ。

収録

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 ラストは死体卿の回想でしたが、もうとことん酷いなこの生き物!(褒め言葉)

 ジャンプコミックスSQ「エンバーミング -THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN- 9巻」。
 和月伸宏、月刊ジャンプSQ連載、集英社発行。
 2014年12月(前巻5月)

■本編
 ♯47 DEAD BODY and TEARS3
 ♯48 DEAD BODY and FAMILY1
 ♯49 DEAD BODY and FAMILY2
 ♯50 DEAD BODY and FAMILY3
 ♯51 DEAD BODY and FAMILY4
 ♯52 DEAD BODY and NECROPHILIA1

 巻頭、エルムの綴じ込みカラーポスターあり!

■エンバーミング博物誌
 Volume49 欧米の紳士淑女が夢中になった「心霊主義」
 Volume50『エンバーミング』的倫敦観光案内! その1
 Volume51 同 その2
 Volume52 同 その3
 Volume53 同 その4
 Volume54『エンバーミング』的映画解説!

■キャラ解説
 ゲバルト=リヒター
 グロース=フランケンシュタイン
 エルム母フランケン
 ダリア=リヒター

 各話解説&近況報告アリ
 相変わらず、オマケがたっぷりで一冊の満足感がハンパない!

 正直、Drリヒターの出落ち感はハンパなかったですが、どこをとっても見せてくれる人だったのは確かだ!



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