東京喰種トーキョーグール最終話「喰種」感想

優しさは弱さか？喰種への否定、喰種という肯定。金木の変遷、一旦最終話！

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　青桐編開始時、原作ファンが「始めちゃうの！？」と反応していたのに納得。
　なんという結末でしょうか。
　結末でしょうか！

　貴方はまだ、“傷付けられる立場”でいられる？ヤモリのような奴が許せる……？

■「喰種」
　終わってみると、サブタイトルに納得。
　毎回タイトルが上手すぎる。

　しかし「次クール未定」で、この終わり方って凄まじい度胸ですね。いやホントに。

『―――！お母さん……？利世さん！？』『久しぶりね、金木くん』

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　正直、最初は「一話退場キャラ」かと思ったものですが。

■僕は
　青桐の木とCCG、喰種と人間の激しい抗争に紛れ、金木研は変質を遂げていた。
　優しい青年だった彼も、喰種の道徳に心を明け渡してしまう。

　必要とあらば他人を傷付けてでも、最善手を選ばねばならない。

　他人を傷付けない行為は、結果的に「身内」を傷付けることに繋がりかねない。
　自分の母こそ、その実例だと思い知らされたのだ。

　自分は「奪う側」の喰種なのだと思い定めた金木は、ジェイソンを圧倒する。

利世『ねえ、金木くんのお母さんって、どんな人だったの？』

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　最終話は「先週の金木くんは？」を詳細でお伝えします。

■対話／過去
　拷問の後遺症で正気を失い、別人格に成り代わった喰種、ジェイソンにひたすら嬲られ続ける金木。
　彼もまた、拷問の中で「利世」と対話し始める。

　傷付ける人より、傷付けられる人に、優しい人はそれだけで幸せだって―――。

　金木が母から教わった信条。
　しかし、利世とジェイソンの暴力と言葉は、情け容赦ないまでに破壊する。

利世『優しくて素敵ねえ……、だからこんな目に遭うの』

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　一話同様、金木役cv花江夏樹さんがとんでもない！凄惨な叫び！

■種明かし
　拷問がてらに明かされたのは、一話目の真相、金木の回復力が「異常」だと言う事。
　カノウという医者が、利世から「喰種を造っている」
　金木は、その「作品」の一つなのだ。

　ただ、万丈を泳がせたり「利世を探している」と思える節もあり、彼女自身が生きている可能性も？

※金木の中の利世も、ただの幻聴という可能性もありますし。

利世『言いつけを守って生きてるの？なにそれ、退屈。クソだって思わない？』

『あなたのお母さん、本当に“優しくて立派な人”だったのかしら？』

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　積極的に善意を踏みにじっていくスタイル。

■優しい＝奪われる
　ジェイソンのトンデモ拷問が続く中、利世と「自分」を見つめ直す金木。
　傷つけないことは、本当に幸せな事なのか？

　でも、その大切な友達も失ってしまうのねえ……？自分のせいで。

　だって優しかった母も
　その優しさを、ロクに働かない姉に付け込まれ、過労死してしまった――――。酷すぎる。

　お前がその考えを続けるなら、友達も失うと「忠告」する利世。

ジェイソン『“この世の全ての不利益は、当人の能力不足”――――』

『どっちを救いたい？選べ！えーらーべッ！！』

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　cv西凜太朗さん、熱演……。言い方変えようかァ？の囁く感じとかメチャクチャ絶望する！

■選べる？選べない？
　拷問に数日間もわたって耐え続けた金木くんですが、あの「世話人」の二人が人質に。
　というか、最初からそのつもりだった。

　こんな選べない、こんなの、僕が殺すみたいじゃないか……！

　最悪の状況
　救いようが無い状況で、いつかの「亜門戦」のような台詞。

『俺を選べ！俺を選べ、金木ぃぃぃぃぃ！』

『ぜーんぶ、お前のせい』

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　結局、痺れを切らしたジェイソンが「女性」を締め上げ、そのまま――――。
　男性の方も、すぐに。

　男性の方も自分を選ばなかった金木に怒りが転嫁したまま、あっさりと。

　あれほど優しい顔で
　優しく、必ず助けると約束してくれた二人を、金木くんは見殺しにしてしまう破目に………。

利世『運なんて存在しない、単なる状況と状況の組み合わせ』

『その“状況”を作っているのは、だあれ？あなたよ。全部あなたのせいよ』

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　一話目「金木ー！後ろ後ろー！」と視聴者がツッコんだのも、全部制作者の手の平の上。

■悪い
　偶然に思える状況も、状況と状況の組み合わせ次第で、きっと変わっていた。
　金木が賢ければ、或いは強ければ良かった。
　出来ない者が「悪い」のだ。

　敬愛した母親だって、本当は「姉を見捨てていれば」、自分と長生きできたのではないか？

　弱いものは悪い。
　雑念で「最善を選べない者」は悪い。

　僕の為に、生きて欲しかった！

　選べたはずの「最善の手」を、誰かを気にして選べなかったら、また他の誰かを傷付けるのだ、と。

『そうよ金木くん、一方を捨ててでも、誰かを守らなくちゃいけない時があるの』

『それが出来なかったら優しさじゃないわ、ただ弱いだけ』

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　利世さんは、ある意味で「喰種としての理性」。判断する心を金木に説く。

■捨てる強さ
　他人から奪ってでも生き抜く
　利世の、喰種の哲学を叩き込まれた金木は―――

「それが間違った選択だとしても？」
「間違っているのは僕じゃない、間違っているのは、この世界だ！」

　奇しくも、第7話の亜門くんと同じように「世界」を恨む金木。

　まず目の前の「利世」から食い尽くす金木。
　喰種は人間を喰わねばならない、人間性を捨ててでも、誰かを傷付けねば生きる事すらままならない。

ジェイソン『俺を、喰ったのか……！？』

金木さん『不味いな―――、まるで、腐りかけの魚の腸みたいだ』

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　回復力を「強さ」に活かす金木！

■「僕は喰種だ」
　自覚を得た金木は「利世のカグネ」を躊躇いなく使い、彼、本来の強さで圧倒する。
　彼女にのっとられるのが、喰種であると認める事が怖くて
　まともに使えなかった「本来の力」！

　今更こんなの、痛がると思った？

　カグネを「着込む」、パワータイプのジェイソンに対し
　金木は俊敏な動きで戦う！

　のみならず、直撃に耐えるタフネス、カグネをも切り裂くパワーで、一方的に嬲り倒してしまう―――。

金木さん『僕を喰おうとしたんだ、僕に喰われても、仕方ないよね……？』

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　ジェイソンの仕草を真似、計算させて正気を保つやり方も真似、意趣返しする金木。
　あげく、ジェイソンにかぶりつき―――

　がぶり、……ごくん。

■「喰種」金木研
　一話目、自分は喰種じゃないと否定し、口に肉をブチ込まれた金木くん。
　一クールかけ、「自分は喰種だ」と着地し
　自ら咀嚼する結末。

　その結末もやんぬるかな。これは仕方ない。

「第二期」の予定無しとは思えぬほど、強気すぎる最終回！

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　最後の最後は、あのジェイソンすら泣き出す有様。

■金木さんの行く末は……
　多分、ここからまた変わって行くのでしょうけれど、そこは原作でって事なのでしょうね。

　とんでもねえところで終わった！
　それも間違いないですが、確かに「ここで切る」のも頷けます。

　金木研という喰種が生まれ、喰種として自覚するまでの物語だと考えれば、この上なく綺麗な切れ目。

　頷けますが、消化不良感もスゲェな！頷けないな！！

cv花江さん、本当に御疲れ様でした！一話といい叫びがスゴかった！！

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　原作も「東京喰種としては終わり」という終わり方をしたらしいので、妥当なのかもしれませんけれども。
※最終話カラーページでも、隠し文字で「SEE YOU NEXT」が確認。

　多分、アニメとしては「白カネキさんを魅せたい！」というのが一番大きくて
　その前提を守りつつ、可能な限りストーリーを縮めない
　という方針だったのでしょうか。

　白カネキさんは、経緯も強さもストーリー上の重みもスゴすぎましたものね。仕方ないですよね。

　ともあれ、スタッフの皆様、すごく面白かったです！
　御疲れ様でした。

■関連感想記事
　第7話「幽囚」
　第8話「円環」
　第9話「鳥篭」
　第10話「青桐」
　第11話「衝天」

優しさは弱さか？ 喰種への否定、喰種という肯定。金木の変遷、一旦最終話！

『―――！ お母さん……？ 利世さん！？』『久しぶりね、金木くん』