彼もまた大英霊! ランサーのさっぱりした男ぶり、これまたカッコイイ!
英雄王の鷹揚さ、
イチャつくカップルと士郎の歪み、ランサーの大人の魅力が炸裂した決戦前夜!
中でも、謀略の魔女と謳われる“キャスター”の小さな望みを
さらっと言い当てる葛木先生がまた良い!
キャスター自身、気がついていないようだが、アレはただ帰りたいだけだ。自由など始めから求めていない。
■「後悔はしない」正しさ
思わずアーチャーも途中で退場するくらい、シンプルに真っ直ぐな言葉を続ける葛木先生。
まっとうな生き方をしてないだけに、逆に真っ当すぎる葛木先生。
同じく、シンプルで男くさいランサーもカッコよかったし、
凛ちゃんさんもさっさと士郎を籍を入れろと(略)。慎二『こんなところで会うなんて、奇遇だねェ? エ・ミ・ヤ?』
開幕早々、
イリヤファンを敵に回すワカメさん流石ッス! マジド外道ッス!
■槍兵、翻る
イリヤの亡骸から「心臓」を抉り出したギルガメッシュは、士郎たちの前から立ち去ってしまう。
その目的が解らない士郎達は、予定通りキャスター討伐を優先するが
彼らの前に、今度はランサーが現れた。
彼は己のマスターの命令で、キャスターを倒せねばならないと言い、凛に同盟を願い出る。
アサシンは寺から動けない。
アーチャー、セイバーは自分が抑えると豪語するランサー。
凛は自分がキャスターへの切り札になると言い、士郎を連れて敵陣深くへ切り込んでゆく―――。
次回、第17話「暗剣、牙を剥く」
凛『そこのサーヴァント! 指一本でも動かせば、マスターの命は保障しないわ!』
ギルガメッシュ『ほう? 即座にしとめず、警告に切り替えたのは―――』
それ=慎二を殺したところで、我が止まらぬと判断したからだな?■王、目的を果たす
英雄王は、自ら「聖杯の入れ物」と呼んだ少女、イリヤの心臓を抜き取ると、足早に立ち去る。
前回、バーサーカーに妨害された“コレ”が目的だったのだ。
状況が変わった。あの娘ならば「器」として文句なしだ。
マスター慎二、凛にも王にもダブルでコケにされるファンサービス。
凛ちゃんさん流石!
慎二、
その場にいるのに「蚊帳の外」でハラハラする!
慎二『ギルガメッシュ! 衛宮も遠坂も皆殺しだぁっ!』
英雄王『いや、残念だが時間切れだ。これ以上放置すれば腐ってしまう』
文字通り「瞬殺」できるのに、理由を作って去っていく慢心王さま素敵。
そしてワカメ! ハラハラするよワカメ!
くっそぉ! 後悔するなよ遠坂! もう仲間にしてやらないからなぁ! クソ! クソクソッ!
小学生か!
凛『―――前から異常だと思ってたけど、今ので確信したわ』
『士郎、あなたの生き方はひどく歪よ?』
怖い怖い!
■「衛宮士郎」の異常
その後、イリヤを弔いながら、士郎は「飛び出そうとした」事を問い詰められるが
士郎は当然だと返し、凛は確信を得る。
いい? 人間は自分を一番にしなくちゃいけないの。なのに他人を助けようとする、壊れるのは当然なのよ?
他人優先を「続けた」結果、士郎の人格は壊れ始めている。
自分の命を、まるで省みなくなっている。
凛は
「壊れている」「ロボットと変わらない」と形容した。
凛『だから言ってよ、十年前に何があったのか、それが原因なんでしょうから』
士郎『違う遠坂、俺は助けられただけなんだ……』
大火災の中、士郎は
助けを求める人々の声に耳をふさぎ、脱出路を探した。
■士郎の「義務」
彼は、十年前の大火災の時、多くの人を見捨てて生き延びたと自分を責めていた。
だから、今度は助けなければならない、と。
ただ“嬉しそう”だったから……、その姿に憧れた。俺はそういうものになりたかった――-―。
自責の念と、自分を救った切嗣への憧れ。
それが生還の代価。
士郎『そうじゃないと、独りだけ生き残った意味が無い……』
凛『それがおかしいって言ってるのよ!』
士郎の「間違い」に、凛は思わず泣き出してしまう。
■遠坂凛の幸福論
士郎は、彼らを救えたかもしれない『後悔』を背負う。
凛は、辛かった分だけ幸せに生きる権利がある、不幸は幸福を感じる為にあると士郎に説いた。
あんたはあんた自身の為に生きなきゃ、何が幸福なのか解らないっ!
人は幸福を目指して生きるべきだと
他人の幸福に尽くすだけでは、機械と変わらない、と。
その思考は、まさに「眩しい」。
士郎『ああ…、遠坂はきっと正しい。けど良いんだ』
『誰かの為になりたいって想いが…、間違いのはずが無いんだからな』
しかし士郎は、
すべて理解した上で、それでも生き方を曲げずに微笑み返す。
これには凛ちゃんさんも惚れ直すしかない――――。
奇しくも、切嗣の実子イリヤは「他人の為に生きる」事を強いられ、士郎は望んで他人の為に生きる。
イリヤだって、放り出せばアインツベルン全てが無駄になるといわれて
無駄にしない為に歯を食いしばった。
また
切嗣や妻アイリ、セイバーさんに至るまで、そういう奇縁なんですね――――。
凛『まったく、そんな顔されたら何も言えないじゃないっ!』
『まあ仕方ないか…、こうなったら、私がなんとかしてあげるわよっ』
そして凛も
何が尊いって、「間違っている」事に泣いてくれたのが何より尊い。
士郎が間違っていて、幸せに生きられない事に
半泣きになって説得した凛。
それだけ、士郎に幸せに生きて欲しいと泣いて指摘する凛。
これは尊い。
翻って、同じく間違ってる間桐慎二にひたすら冷静な事も含めて、無条件に優しいわけじゃない。
それが尊く、慎二はワカメだと私は思います。
凛『ねえ、八人目のサーヴァントの事なんだけど!』
士郎『ギルガメッシュ、古代メソポタミアに出てくる英雄だよな………』
気を取り直して状況分析、
やたら神話に詳しい二人にツッコミを禁じえませんが
ともかく、人類最古の英雄王なのです。
王と女神の間に生まれた半神半人、世界の全てを手にした彼は『全ての宝具の原型』をも所有していた。
その圧倒的な武器量、通称“王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)”が強みで
状況、敵に応じた宝具を用意できる。
凛『まあ今はキャスターの方が大事だから、後回しにするしか無いんだけど』
謎の青タイツ『お前達二人だけでか?』
いいから落ち着け!
■槍兵参戦!
が、それはそれとしてキャスターを優先しようとした二人の前に、ランサーが現れる。
これには二人もガチでビビる!
ちょっと待った! 自分を大切にしろって話、ぜんぜん聞いてなかったみたいね!
が、
自分が盾になると言い合いになる二人
完全にバカップル。
ランサー『おっ? もう終わりか? いいから最後まで済ましちまいな』
夫婦喧嘩は槍兵も食わない、
武器も持たずに飄々と降り立つランサー、マジ大英霊。
この人も、とんでもない英霊なんですよね。
兄貴風を感じる!
ランサー『待て待て、こっちに戦う気は無い』
『見るに見かねてな、少しばかり手助けしてやろうとでしゃばりに来た訳だ』
まさに趣味人。
■俺の趣味だ
ランサーは、キュスター潰しを命じられていたが、どうせならお前達と組みたいと言い出す。
損得ならギルガメッシュだが、お前らを気に入ったのだ、と。
仕事は選べない分、相棒は好きに選ばねぇとな?
彼は「凛を気に入った」といい、彼女が組むなら士郎も信頼できると評した。
実に、実にさっぱりとした良い理屈だ!
からかうようで裏表の無い言動に、
凛は彼を信用したいが、決定権は士郎にゆだねるという。
士郎『けど、条件付きだ。手を貸してもらえるなら俺たちもお前を信用する』
『その代わり、気安く遠坂には近寄るな』
凛はかわいい(断言)。
■同盟成立
だが、士郎が渋ったのは「殺されかけた」せいではなく、彼が凛に馴れ馴れしいからと判明……。
これにはランサーさんもバカ笑い。
凛ちゃんさん照れ笑い。
ホントも何も、とっくに出来上がってんだよお前たち。この先大変だぞ、ボウズ?
あにきがなかまにくわわった!
いいなぁこの関係。
もちろん
怪しすぎる同盟ですけれど、ランサー自身の本心が溢れてて、すごく良いわ!
葛木『何故ここに。背任と咎められてもやむをえないぞ?』
アーチャー『そういえば最後までアンタを知る機会が無かった、と思ってね』
彼女の寂しさが伝わるワンカット。好き。
■「自分」を育てなかった人間
一方、本心をひた隠す男アーチャーは、マスター葛木とささやかな対面を果たしていた。
葛木は暗殺者、道具として育てられた人間だったが―――
キャスター自身、気がついていないようだが、アレはただ帰りたいだけだ。自由など始めから求めていない。
彼の野生的でシンプルな感覚は、キャスターの本心を見抜く。
彼にとって、彼女は「魔女」ではない。
あの尊大な魔女が、
海の向こうの故郷を見つめる、小さな少女に見えてしまう――――。
葛木『上手くいえないが、あの女の願いをかなえてやりたいと思った……』
『これは、人間らしい欲望だと思うのだが――――』
アーチャーは、
自由を得る為に聖杯を得ようとする魔女と捉えている。
だが葛木に言わせれば、それは「願い」ではない。
彼女は、
英霊として「仕組み」に囚われてしまっているから、そこから自由になりたい。
自由となって、故郷へ帰りたいだけなのだ――――。
アーチャー『一つ、聞き忘れていた、アンタが思う“正しさ”とは何だ』
葛木『そうだな、たとえ間違いであったしても、後悔はしないことだろう』
善悪が等価に見える以上、それだけが、私が良しとする“人間らしさの証明”だ……。
■正しさ
また、夢見た理想に裏切られ尽くし、絶望しきった英霊アーチャーは
葛木の「後悔しない事が、人間らしく正しい姿」だ
という言葉に反感を覚える。
自分から聞いておきつつ、無言で足早に立ち去るアーチャー。
彼にしては珍しく
それこそ「人間くさく」感情的に立ち去る弓兵。
凛『私とキャスターを一対一にしてもらえれば、まず裏をかけると思う』
ランサー『ほぉう? なるほど、秘策アリってワケだ』
そして
士郎陣営は、ランサーの情報提供で「アサシンは山門から動けない」と明かされ
ランサーが、独りでアーチャーとセイバーをひきつけ
その隙にキャスターを討つ戦略。
最悪、セイバーもどうにかせにゃならんが、まあ「抑えるだけ」なら問題は無い。
無茶振りでも頼りになる!
そして、以前は不発に終わった「凛の魔女対策」が再び切り札に。
葛木は士郎が抑えるワケね。
弓兵『ほう? 裏切りは癇に障るかランサー? 他人事なのに律儀なものだ』
槍兵『てめぇみたいなサーヴァントがいるってことが、気に喰わねェだけだッ!』
第0話以来の対決!
■苦笑する大英雄
やがて、作戦通り「正門」を守るアーチャーと、ランサーが激突するのだったが
裏表ない槍兵とうそつき弓兵、相性は最悪!
まったく面倒な事になっちまったなぁ。いやなに、あの嬢ちゃんは少しばかり眩しいってモンだ!
思った以上に、凛に情が移ったと苦笑するランサー。
彼にも「眩しい」。
令呪に縛られ逆らえない身の上からすると、一層眩しいと苦笑、
激突する!凛『このペンダントね、本当はひとつしかないものなの』
また
急に立ち話を始めた凛は、「ペンダント」が二つに増えた、アーチャーが持ってきたと語る。
それだけ!
勝算があっても「勝てるか」はまた別の話、大事な事なので先に言いました!
その真相
そして
二人はキャスターに勝てるのか……?予告アーチャー『言っただろう? 勝率の高い手段だけを採る、と』
次回、アーチャーさん腹黒全開やでー!
■ランサー参戦!
Fateは、通称「セイバー」「凛」「桜」の三ルートで構成され、旧作はセイバーでUBWは凛のルート。
イリヤは、劇場版となる「桜ルート」と統合される形になった為
次の活躍は劇場版で……!
そんな悲しみに浸る間もなく、士郎の異常性、凛のガン泣き、夫婦喧嘩にランサー参戦と嵐の回!
一気に話を動かしつつ、葛木先生とキャスターに触れてゆくのも
またグッとくる展開でしたね。
イケメンすぎる…。
ランサーの年上感がまた快いですが、さて次回、いよいよ英霊バトルか!?
次回、第17話「暗剣、牙を剥く」
余談。最古の英雄王『ギルガメッシュ」
人類最古の
「全てを手にした英雄王」という事から、後の伝説の武具の原型も全て持っていたのが強み
本人の強さも、セイバーらと同格=最強クラスであると共に
その「宝具」が圧倒的なのだ。
そんな彼の名前が、スラスラ出てくる士郎にもビックリだよ! 詳しいね凛ちゃんさん!!
王と神の子として生まれ、3分の2が神で3分の1が人間という人物。
暴君として君臨したという。
そこで神は、競争相手として泥人間『エンキドゥ』を作り、激しいバトル展開に突入。
しかし紆余曲折を経て友情を築き、名君となったという。
やがてギルガメッシュは、親友となったエンキドゥと共に冒険を繰り広げるが、とある事件で彼が死亡。
自分と同等であるエンキドゥの死に、自分も死すべき存在だと悟り、死に怯える。
それからまた幾つかの物語を繰り返したのだが
それはまた別のお話。
ちなみに、バーサーカーを苦しめた「天の鎖」には、その親友の名“エルキドゥ”を名付けている。
二人の思い出の宝具。
ギルガメッシュは「友」と呼び、愛用している。
※元が外国語なので「エンキドゥ」「エンキド」「エルキドゥ」などなど言い表される。