シュタゲの脚本家さんが原作、
野崎くんを制作した動画工房さんのオリジナル作品。
一話目にしてバッドエンド伏線満載。その果てに待っているものは……?
世界唯一のアンドロイド会社で、
寿命個体の回収、“持ち主”との交渉を担う部署に配属された主人公と
ぽんこつ気味なアンドロイド「アイラ」の物語。
これは可愛い…!
ニーナ、心配しなくても……、大丈夫だよ?
■終末担当<ターミナル>
ホント、ひたすら「通称・敏腕」だけどポンコツなアイラが可愛すぎるアニメで、動画的にもすごく好き。
しかし一方で、お婆さんの別れという悲しい本筋が。
そして彼女の「寿命」は…?
アイラの
寿命は強く推してるから、終わりじゃなくて最初の山場になりそう。どうなるのでしょう……?
『もし、自分の命の時間が決まっているとしたら、俺ならどう受け止めるだろう?』
一目ぼれした出会いの日を、回想するツカサ。
■思い出を引き裂く仕事
水柿ツカサは、世界で唯一「心のあるアンドロイド」ギフティアを製造している、大手企業に入社
僅か9年で「寿命」となる本商品の、回収業務に回された。
人と何もかもそっくりだけど、僅か9年と4ヶ月しか生きられないギフティア達。
彼らの「所有者」にも別れは耐え難く
パートナーとなったギフティア、アイラはこれは報われない仕事だとツカサに釘をさす。
回収は辛い、しかし寿命後は人格と記憶が崩壊する事から、この報われない仕事は今日も続いてゆく。
何より、ギフティア達の「家族」を哀しませない為に――――。
次回、♯2「足を引っ張りたくないので」
ツカサ『今日からお世話になります、水柿ツカサです! よろしくお願いしますっ!』
課長『――――課長の山之辺です、よろしくぅ……』
課長さん、カミーユでウリバタケでcv飛田展男さんだ!
■こ、この空気…!
十八歳の新社会人「水柿ツカサ」は、人間そっくりのアンドロイドを唯一製造するメーカーに就職。
明らかに、厄介者っぽい部署に配属される。
なぁ課長、今年はウチ、新人ゼロだったんじゃねぇの?
職場に漂う「誰、こいつ?」な感じ!
い、いたたまれない!
課長はいるが、
実際はアネゴの桑乃実カヅキが取り仕切る、いかにも窓際っぽい部署。
ツカサ『あの、ターミナルサービスってどんな業務をする部署なんです?』
山之辺課長『部長から聞いてないの? まったく?』
いやいや、
そこは自分で調べときましょうよ水柿ツカサ18歳よ!
■ギフティアの終末ケア
ターミナルは、「終末」という意味を持ち、9年4ヶ月の寿命を迎えたアンドロイドの回収を担う。
だが実際には、所属アンドロイドが業務を担う為か
暇そうな部署であった。
回収業務は、人間とギフティアのコンビが担うが、お前と組ませるギフティアがいない――――。
そこで、普段はお茶組をやっている「アイラ」と組む事に。
彼女もギフティア。
だから、
本社「部長」に会いにいった冒頭シーンで、彼女と出会っていたというわけか。
カヅキ『だからって、今更アイラを現場にだそうだなんて!』
アイラ『解りました』
しかし彼女、
回収業務ではベテランであり、復帰を元コンビのカヅキが嫌がっている。
やたらとポンコツなのも含め、機能的に劣化したのか
寿命が近いのか?
ツカサ『ま、任せて大丈夫なの!?』
ミチル『あったりまえでしょ? ウチのは、交渉能力が強化されてるっての!』
ミチルさんが、もうホントやたらと動きまくるのは仕様です。
■作り物の思い出
やがて、先輩コンビの仕事を見学する事になるのだが、基本、この仕事はギフティア任せ。
彼らは交渉能力も高く、人間は監督役を務める。
でも覚えておくべきなのは一つだけ。この仕事は報われない、思い出を引き裂くのが、私達の仕事なので。
まず、既に折衝を終えた好意的な一家から引き取るツカサたち。
彼らにとって、「エディ」は紛れも無い家族。
それを「親元」から引き離し、
処分してしまうという残酷極まりない仕事なのだ。
ツカサ『エドワードさん、どこも問題なさそうに見えたのに……』
SAI社が唯一実用化した
「心」に相当する機能は、9年4ヶ月で劣化し、人格と記憶が障害を起こす。
狂ったり、痴呆症のようになったり―――。
そういう残酷な終わりを見せない為に、敢えてその前に回収する終末部署。
プラスチック=人工物に宿った思い出を引き裂く。
そういう物語なのか……?
まっさきに
複製できないのか?と思いますが、出来ないからこういう部署になるワケですよね。
ミチル『すんなり同意してくれる所有者ばかりだと思ったら、大間違いよっ!』
白花チヅ『帰 っ と く れ っ !』
さすがエンヤ婆てごわい。
■I can fly!
しかし、ある者は門前払いを食らわし、ある者は逃亡を図るなど、非協力的な人も多かった。
端的にいえば、彼らはペットと似たようなもの。
器械だけど「家族」だから。
うるっさいわね! 私も、アイラが現場に出るとこを見るのは初めてなのよっ!
そしてアイラさん、ポンコツ説が急浮上。
ただのダメっ子じゃないか!
視界がボヤけるなど限界らしき描写も挟みつつ、アイラ、自信満々でダイブ!
アイラ『回収対象、発見!』
ミチル『アイラ、追いつける!?』
そして、
やっぱり飛距離が全く足らず、アパートの高層階から落下するとかいうファンサービス。
下がゴミ捨て場でなければ即死だった――――。
カヅキ『いいか? 二度とアイラに無茶させるんじゃねえ! 解ったか?』
秘策を失敗しまくるアイラかわいい。
■「お茶を一緒に!」
結果、アイラがバナナでデコレートされたり、ツカサが壁ドンされたり色々あったが
ともかく、ツカサ&アイラは本格始動。
私は! 大丈夫っ! ……なので! 仕事をしているうちは、私にも存在意義がある……!
しかし、アイラの「交渉」はまったく功を奏さず
どんどん彼女を追い詰めてゆく。
ドヤ顔で「私に任せて!」とか言っといて、役に立たない事この上ない!
そしてツカサ! アンタも頑張れ!
アイラ『―――今日こそ、飲んでもらわないとぅっ!?』
ニーナ『お姉ちゃん、誰?』
落下に定評のあるアイラ。
■「家族」だから
結局、最終日にアイラが強行突破を試み、なんとかニーナたちとの対話に成功。
しかしツカサは、言ってはならない事を言ってしまう。
あ、新しいOSに入れ替えれば、ボディはそのままで継続利用できるんです………。
彼女を「器械」として扱われ、チヅ婆は本気で激昂。
ツカサ、その物言いだけはアカン……。
しかしまだ十八のツカサに、他に「交渉」の材料は見つけられず―――――。
ニーナ『おばあちゃんが、“お仕事”の邪魔してごめんね?』
しかし、
実は「ニーナ」自身はそれを受け入れており、アイラを逆に困惑させる。
事実上の「死」が、怖くないのか、と。
けれど。
思うけどね? このままだとニーナは壊れちゃって、みんなに迷惑かけるだろうから……。
壊れるまでここに居続けたい。
けれど、最愛の「おばあちゃん」に迷惑をかけてしまうくらいなら――――。
彼女の天秤では、おばあちゃんの方が重かったのだ。
チヅ婆『結局、あたしは自分の事しか考えてなかったんだねぇ……』
『――――あんたのツレにお願いしても良いかい? 四人分のお茶をね』
最後、アイラはニーナに何を耳打ちしたのでしょうね?
■ばいばい
それを立ち聞きしていたチヅ婆は、義務以上に「自分を思って」処分を受け入れていたと知り
涙を押し殺し、彼女の処分を受け入れるようになる。
ニーナ、心配しなくても……、大丈夫だよ?
最後の最後、離れ離れになる寸前で、もう、チヅ婆のお世話ができないんだと悟るニーナ。
彼女は、ここでようやく「死」がなぜ怖いのかを知った。
だからチヅ婆は、自分は大丈夫だからと彼女を送り出す。
せめて安心して逝って欲しいから、チヅ婆も自分自身を押し殺し彼女を送り出すのだった。
ツカサ『その、何ていうか……、すみません…!』
チヅ婆『――――もう良いんだよ…、ありがとう』
最後、
心無い事を言ってしまった事や、彼女を連れて行ってしまうこと諸々を謝るツカサに
チヅ婆は、本当に穏やかにお礼を言って去る。
ありがとう。
少なくとも、出会えて幸福だったから。
自分よりも寿命が少ないものと一緒に過ごすのなら、別れは避けられないのだから。
決して納得できるはずは無いけれど、
ありがとうと彼女は言い残す。
次回「足を引っ張りたくないので」。さてどちらの台詞?
トイレ探し中なので……、お茶、飲みすぎたァーーーーー!?■大混乱エンド
まだ「記憶の引継ぎ」などの技術が、未解決のまま実用化されたアンドロイドが存在する近未来。
語弊を覚悟で言うと、ペットと人間の関係を連想する物語。
相手が自分を残して死ぬと解っていても、それでも側に居てほしいと思ってしまう
その気持ちなら、私だって解るつもりですから。
それでも可愛いのですから。
だから、ありがとうと最後に告げるチヅ婆の言葉が切ない。
だからラストをドタバタ展開にして、雰囲気をどっちらけにする辺りも気配りなのでしょうね。
悲しいまま終わったら、それこそ悲しすぎますし。
こういうの、嫌いじゃないです。
そしてメインヒロインが明らかに寿命寸前とか、いきなりクライマックスでどうすんの!?とか!
続きが気になる作品。
でも、「あざとい」「わざわざ悲しくなりたくない」と感じるのも当たり前で、好き嫌い別れそうかも。
次回、♯2「足を引っ張りたくないので」。
余談。プラスチックは人工物です
プラスチックの記憶(想い出)というタイトル、作中で回収されるスタイルなんでしょうか?
そこも気になる。
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なし