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『どらくま 2巻』感想、“江戸時代”の為に支払われた代価ってのは…:戸土野正内郎

 豊臣家滅亡の翌年を舞台とした、戦国バトルアクション作品。1巻感想はこちら

「平和」の為に戦争した、その為にどんだけ失ったのかって事と―――

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※画像右下隅クリックで拡大。

 誰だって、生きる為に自分の「職」「技能」を磨いてゆくものですが、戦国時代を生きた人達は
 血ヘド吐いて磨いた技能が、もう要らないと言われた
 それが「平和」ってモンなんですよね

 だから「平和」ってのは死んだ奴だけじゃない、生きてる奴も台無しにして生まれたんでしょって話とか

「真田の戦い」開戦!
 さて、全一巻といっていいくらい痛快悲痛に闘った一巻から、二巻は「本編」開始。
 あの時代、身長185cmで93歳でも現役だったって
 それどんな妖怪だよ…

 そんな「真田 幸村」の兄、江戸時代まで生き抜いた男が登場よ! 面白ェ!

バカ二人、「くのいち」と出会うの段…。って前作キャラ混ざってるよ!?

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 戦国の頃、「巫女」は疑われにくかった事から、武田家は女ニンジャ集団を育てたという…!

平和の代価
 1616年、豊臣が滅んだ「太平」の世に、源四郎はオジキに遂に捕縛される。
 彼は、名将・真田信之の義理の息子であった。

 この時代、信之は「幕府」に睨まれていた。

 初代将軍・家康は彼を重宝した
 だが、二代目・秀忠は彼の取り潰しを考え、勘付いた信之は反攻を期していたのである。

 何故なら真田家は、「力」で国を統べる徳川を、戦いで破った家だからだ。

 幕府統治確立の為に、かの家を許しておけなかったのである―――

だが源四郎は思う、「太平」には代価がいったのだと

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 前述の通り、太平の世は失職者も出す、戦乱が逆戻りした方が助かるものも大勢いる時代。
 それでも源四郎は思う

 戦でどれだけの人と物が失われたのか。

 そりゃ莫大な金額です
 彼はカネが好き、だから「元」をとるまで戦はイカンと行動する!

 何故なら彼もまた、幼くして「買われた」、命はカネだと知っているからって話!

 この理屈、私は好きですね!

でも「自分の人生台無し」ってホント怖い

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 忍びの誇りを捨てた者を憎む少女に、それ、お前の明日の姿かもしれんぞ?と諭す。

「いらない」時代
 創作物の定番、生きてりゃ丸儲け、またやり直せばいいって話ですけれど
 でも、やっぱり「今まで磨いてきた技術」
 自分自身の否定は怖い

 戦を起こす、戦に焦がれるって気持ちも良く分かるのが、いっちゃなんですが面白いところ。

 歴史上はありえない「戦」、どう決着するんでしょう。

収録

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 時代劇ですが、トド先生特有のバケモノも当然登場、信之と話してたアレは何なんでしょうね?

 コミックス「どらくま 2巻」。戸土野正内郎。
 月刊コミックガーデン先行掲載、のち月刊コミックブレイド連載、螢泪奪哀ーデン発行。
 2015年10月(前巻4月発売)

 第参話「衣領樹-ステュクス-」
 第四話「可畏-プルトーン-」
 第五話「別都頓宣寿-エリス-」
 第六話「山血-テュポーン-」
 第七話「中陰-プロメテウス-」

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 どらくま 1巻



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