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Channel: GNO2及びGNO3 連邦 情報部 こっそり日記
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乱歩奇譚 Game of Laplace ♯8「パノラマ島綺譚(後編)」感想、二十面相の始まり。タイトル回収

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互いの過ちを証明する為に。故人と戦い続けるアケチ、その始まり!

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 タイトル「Laplace」とは、全てを知り予見する知性の概念、アケチは親友と共にその実現を目指し
 法で裁けぬ悪を、誰かが断罪し正す仕組みを作る
 その結果が“二十面相”…?

 親友の遺した世直しシステム「二十面相」に、アケチはエゴで挑み続ける!

二人のエゴ
 もう彼自身が三年前に命を落とし、その遺産を全て潰す為のエゴ。
 死んだ彼とのゲーム、それが本作なのか?

 でもそれなら、一体どこが終着点となるのでしょう?

ラプラスだけど量子論でカオス

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 開幕早々、ワケわかんなすぎ問題。

エゴはエゴを潰してゆく
 事件は、マネキンの素材を敢えて誤発注し、脆く作らせた事による人為的な崩落だった。
 アケチは証拠を抑えさせ、犯人・ヒガシコウジに迫り
 彼女の「私的な断罪」を暴く。

 三年前、二十面相という「断罪」で人を魅了し、世を正す仕組みを作ったのはアケチの親友だった。

 既に亡き親友ナミコシの遺産
 アケチは、自身が「ラプラスの魔」とも呼ばれるそれに挑み続けている事を明かす。

 これはあくまで己のエゴだと、そう知ってなお「二十面相」と戦い続ける。

 次回、♯9「恐ろしき錯誤」

ナミコシ『僕は、“ラプラスの悪魔”を作りたい』

『具体的に世界に介入しうる、僕だけの悪魔を創りたいんだ……』

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 過去、AI的なものを作っていた…?

なら、まず名前をつけろ
 アケチの過去、親友と数式に費やした青春、ナミコシは「世界を変容させる法則」を考えていた
 かつて数学者が提唱した、“ラプラスの悪魔”の実現だ

 僕の作りあげる法則、黒い世界を照らすもの…、暗黒星。

 ラプラスは全てを知り、未来をも見通す知性の概念
 既に量子論で否定されています。

 が、彼は現代数学でこれを甦らせ、「世界を変容する法則」として作り上げようとした。

 天才の考えることは壮大だ…。

アケチ『殺害動機、今回不明瞭なのは、それだけだ』

コバヤシ『他は、全部解ってるって事ですか?』

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 さて再び事件へ、島の人間が“人形”に見えていた事を、私は「操り人形」なのかと思ったんです
 で、“本物そっくりのマネキン”が云々ってことは
 殺人の偽装じゃないかと

 会長は、「操り人形たち」に口裏を合わせさせ、自分を死んだ事にしたかったのかなと。

 なお、別にそんな事は無かった模様。

ミナミ『以上、三分間ショッキングでしたー!』

『柱の崩落が起こるって解って起こしたんだから、ハッキリ殺人でしょ!』

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 興味が薄い相手は、その姿さえ薄く見えるというアケチ視点

「歯車」の意味
 この事件は、可動する巨大マネキン、その素材を敢えて「脆いもの」で発注する事によって
 耐久度を下げ、崩落させるという「殺人」だった

 事務員ヒガシコウジ・チエコ、発注の際、敢えて脆い鋼材を選んだな?

 時限崩落…?
 それも、専門知識があれば可能だという。

 知識があれば、現代なら計算自体はパソコンがやってくれるから予測可能だ、と。

 そんなトリックありなの!?

コバヤシ『これだけの数があると不気味だけど、一つ一つは奇麗だ…』

『ヒガシコウジさんだよ、とても奇麗な身体してる♪』

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 後は、PCと発注履歴を抑えれば、とりあえず「証拠」になっていくだろう。

 そして「動機」は、マネキンが彼女そっくりという事。

 二人は、アケチとコバヤシの言う「本物そっくり」とは、ヒガシコウジの事だと明かす。
 マネキンは、彼女の身体を模しているのだ

 やだ! この子、セクシュアル☆ハラスメントだわ!

アケチ『――――殺害動機は、“この展示場そのもの”か?』

コバヤシ『気持ち悪かったんだよね? こんなにたくさんあるんだものっ♪』

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 無論、ただ「自分の裸体祭り」が恥ずかしかった、というだけではない。
 ヒガシコウジは、耐え難かったという

 そも、「この告白を行うこと」そのものが、彼女の動機だったのかもしれません。

 ただ殺すための殺人ではなく――――

回想のヒガシコウジ『せめて、彼女のご両親に謝罪してください!』

ブラック企業『素晴らしい―――』

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 勇気を出したら、(精神的に?)陵辱された…。

耐え難きを耐えた果てに
 実は、彼女の親友が過労死で亡くなり、それを会長に訴え、「賞賛された」のが始まりだった。
 絶対に勝てない存在に、亡き親友の為に挑む。
 その様を、会長は賞賛する

 その美しい精神、美しい肉体こそ、我らが求めていたものだと。

 彼らは、改善、再発防止と引き換えに屈する事を求め
 苦悩の果てに受け入れる

 だが当然、会長は要求をまるっと無視した。

 契約書? なにそれ美味しいの?

ヒガシコウジ『あなたの命で出来たお金…、こんなに…、たくさん……!』

『こんなにも、たくさん!』

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 親友の死は、「会社の為のコストカット」が原因、会社の資産は死体で出来ている。
 しかも、その資産は自分の姿をとり
 毎日眺めることに

 耐え難い苦痛、復讐、それが殺人の動機であった―――。

ヒガシコウジ『私が…、“パノラマ島の二十面相”です……』

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 二十面相は…、増えていくだろう。それぞれの正義の怒りの為に、或いは、そんな理念の無い者も……'

伝えたかったこと
 この殺人は、「予告」なんてしなければ、ただの事故で済まされたかもしれない事件だ。
 彼女は、それでも伝えたかった。

 二十面相は全て、俺が潰す……!

 マネキンはキショい。
 そして、彼らは「悪だった」事を。

 彼らを殺したい、彼らが「善意ある経営者」という、認知された肩書きのまま死ぬなど許せない。

 そうした「正義の味方」を、アケチは全て潰すと宣言する。

コバヤシ『ハシバ君は、もし僕が殺されたら、敵討ちしてくれる?』

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 その帰途、もしもの時は、今回みたいに「敵討ち」してくれるカナー?
 と、コバヤシはハシバに訪ねた。

 水着は着なかったが、セーラー服みたいなのを着たコバヤシ。

 やだ可愛い!

ハシバ『なんだよその質問っ、その前に、お前が殺されないようにだな…』

コバヤシ『あ、ズルい! 前提変えないでよぅ!』

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 そして、他愛ないやりとりで、コバヤシとハシバは「アケチの急所」をグサッといった。
 話は前後しますが―――

 アケチは死んだ親友の仇討ち、自分自身が、納得する為に戦っている。

 けど、彼を止められれば良かったんですよね。
 ごく単純な話。

 アケチには、すごく刺さるそんな話。

アケチ『俺は、一度しかなかった』

『そういうケンカの類、俺は一度しか無かった――――』

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 ケンカの相手、いたんですか?とかいうコバヤシの鬼畜発言。

最初の怪人二十面相
 翌日、また口論を始めた二人に、ついにアケチは「二十面相」の真相を語り始める。
 冒頭の通り、“天才数学者”の親友がいた
 それがナミコシだ。

 初めての、対等な存在、対等な知能………

 中学時代の親友
 彼と、「社会を変容させる数式」を作り上げていった日々。

 天才すぎて理解されず、イジメられてた少年。

ナミコシ『僕らの計算式の完成まで、あと少し………』

アケチ『及第点だ』

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 彼らは、膨大な計算を必要としたが、無数のコンピュータをクラック(侵入)することで
 計算を肩代わりさせ、巨大コンピュータを形成
 計算式を形にし始めた

 今回メガネ事務子さんがやったのと同じく、発想をコンピュータに計算させる二人。

 cv福山潤、cv櫻井孝宏のゴールデンコンビ!

ナミコシ『“暗黒星”から生まれ落ちた、象徴そのもの、人型の現象…』

『怪人二十面相――――』

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 創られたのは、自動的に拡大するフォークロア、風習、伝承、都市伝説を「作り出す」仕組み。
 それは、世界にはびこっている「邪悪」を打ち倒す
 断罪者と期待された

 人が、誰でも「匿名で断罪する」、その為の名前として生まれた。

 カガミのような人を生む、その為の仕組み。

アケチ『そこでやめるべきだった、俺は既に数式から離れていた』

『致命的なミスを発見したからだ』

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 何故、完全犯罪が可能となったのか? AIが手を貸したのか?

最初で最後の喧嘩だった
 だが、アケチは「欠陥」「失敗」に気付き止めようとしたが、ナミコシは拒否
 計算式、二十面相の正しさを証明しようとする

 失敗なんてしてないよ…、証明してみせるよ、アケチ君。

 そして彼は「焼身自殺」した。
 三年前だ。

 対するアケチは、「二十面相」の間違いを証明すべく、彼らの鎮圧に乗り出した。

 彼の探偵業は、ナミコシとの証明合戦なのだ。

アケチ『二十面相は全て潰す―――、肩書きは後から付いてきた』

『特定未成年、アケチ・コゴロウ……』

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 そうやって、子供ながら「二十面相事件」を次々解決した彼は、政府に才能を認められ
 特権を持つ「探偵」となった

 だがアケチは、死んだヤツに何かしてやれるなんて思っていない。

 ナミコシは死んだ。

アケチ『俺は、俺のエゴで二十面相を潰すだけだ』

『だから、お前が正しい』

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 二十面相の面にも埋まっている「バタフライ」、その意味は…?

バタフライ・ノート
 アケチは、自分の行いは自分勝手で、カガミやヒガシコウジと変わらないと自嘲する。
 本当に正しいのは、ハシバのような決意だと

 そもそも死なせるな、だ。

 あの時、止められれば……
 意外な面から、急に褒められるハシバ君。

 逆に言えば、ハシバかコバヤシか、この先どっちか死ぬんじゃねぇのオイ!?

 特にコバヤシは倫理観/zeroだし!

次回、恐ろしき錯誤。錯誤=間違い、或いは事実と観念の不一致

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 EDのラストって、もしかして……。

ラプラスとのゲーム
 原典では、誰にでも変装できる「怪人二十面相」を、誰でも彼になる事が出来る象徴へ。
 なるほど面白い。

 しかし天才の発想が壮大すぎて、そんな計算から、そんなモンが生まれただなんて……。

 ともかく、世を正すための仕組みを作ったけど
 その「欠陥」というのは?
 彼の生死は?

 セオリーから言えば、「それでもあなたに見つけてほしくて、蝶のように舞い上がってる」のか…?

 拡散する都市伝説に、「二十面相は必ず逮捕される」とつき返す先輩
 しかし、それで止まれば苦労はない?

 次回、♯9「恐ろしき錯誤」

■関連感想記事
 #1「人間椅子(前編)」
 #2「人間椅子(後編)」
 #3「影男」
 #4「怪人二十面相」
 #5「芋虫」
 #6「地獄風景」
 #7「パノラマ島綺譚(前編)」

余談、フランスの数学者が提唱した「ラプラスの悪魔」とは?

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もしも、ある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、
かつ、もしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、
この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、
その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。
— 『確率の解析的理論』1812年
 そんな数学者、ラプラスさんの言葉は、現代では量子論の登場で否定されてしまったそうな。
 アケチ先輩たちは、量子論の存在も踏まえつつ
 あれやらこれやら

 二十面相システムは、全てを予測しうる知性、数式を編み出し、組み入れてるっぽい'''んですが……?



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