銀の匙 Silver Spoon 8巻[荒川弘漫画]

将来、夢、家族。農家あるあると言うにはずっしり重い第8巻

　2巻収録の第14話、八軒が駒場の練習に付き合わされたシーンを嫌でも思い起こさせた第8巻。
　あの頃は「夢が二つとか欲張りすぎだろ！」とか言ってたんですよね…。
※画像右下隅クリックで拡大。

　重い、辛い、第8巻。
　これまでの展開が一気に収束し、立て続けに少年達の人生が転がりだしたお話。
　農家の話で本格連載となると、切り離せない話題が直撃します。
　駒場頑張れ。ホント頑張れ。

■クライマックス間近？
　最近の漫画からすると8巻なんて序の口ですが、既にクライマックスの雰囲気。
　春の巻から始まったシリーズタイトルも、遂に一年の締めくくりとなる「冬の巻」に突入しており
　いよいよ終わりの足音が聞こえてきました。

　今巻の頭は賑やかなチーズ話でしたし、終わりも愉快な勉強のお話ですが、中盤がひたすら重い。

　その途中、八軒がアイデア作りに奔走するシーンがありましたけれど
　ドラマ等では、ああした流れから「救われる」事が多く
　もしや、とは思ったものの、やはり無情。

　心理的には救いと前向きさがありますが、やはり現実問題的な無情さが重たいです。
　切り離せない問題に思いっきり体当たりされた感じ。

　続く御影さんのエピソードは、既にある意味で消化されていて今後は楽天的に見られる感じですが
　ここにも落とし穴がないかと思うと油断できませんね。
　学生にも切り離せないエピソード。

■母、来る
　次巻9巻では、エゾノーに八軒の母きたる。
　流れるようにビールを持ち込む予告だけで爆笑エピソードの予感がしますが、それで終わるはずもなく。
　2013年10月発売予定、次の次辺りが最終巻でしょうか？

　冒頭のチーズ話は面白くもあり興味深くもあり。手間を聞くだけに気が遠くなりますね。
　この大仏容赦せん！

　少年サンデーコミックス「銀の匙 Silver Spoon」、8巻。荒川弘。
　週刊少年サンデー誌上にて2011年より不定期連載中。
　2013年7月発売。

　第62～70話まで収録。
　内訳は「秋の巻」が31と32の2編、続く「冬の巻」が1から7編まで収録。

　カバー下オマケ、巻末オマケ漫画収録。
　巻末には次巻予告アリ。

　なお荒川先生は「スモークチーズにはいぶりがっこを添えて酒の肴にする派」とのこと。
※いぶりがっことは、要はタクワン等を燻製にしたもの。
　水分が飛び、独特の風味がついて旨い。

　同じく燻製されつつもチーズ独特の食感を多少残したスモークチーズと、水分飛ばしたいぶりがっこ。
　それにきゅーっと酒をやるというのか……おお…。

■関連記事
　アニメ版第1話「エゾノーへ、ようこそ」http://blogs.yahoo.co.jp/saranndonn/66533838.html

　昔の記事を軽く見返すと、4巻時点で「御影と駒場のエピソード」に触れつつ
　軽く落とすのか、それとも意外に重いのか。
　などと書いていました。

　ようやくの回収となりましたが、積み重ねただけに納得した面も、釈然としない思いもあり。