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Channel: GNO2及びGNO3 連邦 情報部 こっそり日記
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アルスラーン戦記 第十章「カシャーン城塞の主」感想。少年、“理想”の現実を知る。あとナルサスの過去を知る

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ナルさんの現実講座。水戸黄門展開! からの、アルスラーンを襲う厳しい現実

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 殿下の言動が、あまりに純真無垢で、ずっとハラハラしっぱなしでモヤモヤした気持ちが残る回。
 これで本当に良かったのか、解り合える可能性はなかったのか
 奴隷達は、あの後どうなったのか……。

 正義とは、太陽ではなく星のようなものかもしれません。数限りなくあり、互いに光を打ち消しあいます

「田舎者」の悲劇
 多分、城主が「王都は、奴隷が原因で落ちた」事を気にしていれば状況は違ったのでしょう。
 が、時代背景を思えば仕方ないのか。

 アルスラーンが、はっきりと臣下への信頼を言い切る姿、格好良かった!

アルスラーン『我らは少数すぎる、どうやって味方を増やせばいい?』

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 焦る若者、諭す家臣

大道を歩め
 殿下は、ナルサスの教育に「自身の政治理念を確立、公表する」事が仲間を集める道だと考え
 逃げ込んだ城塞の主へ、「奴隷解放」の信念を語り
 世迷言だと断じられてしまう。

 城主は、殿下がナルサスに毒されたと考え、彼を排除し自身が「王の父」になろうと謀った。

 が、王の父として国政を牛耳ろうという邪心を見抜かれ
 手向かった末、ダリューンに討たれる。

 また殿下は、さっそく彼の奴隷達を解放して「殺されかける」ことで、現実を知った

 正しいと思う事でも「正しい」とは限らない
 だが、この結末を予測し、なおアルスラーンが理想を貫くと信じたナルサスに応え、殿下は答えを探し続ける。

 次回、第十一章「ペシャワールへの道」

ナルサス『その為には、正しき政治を行うとお示しになる事です』

『失礼ながら。王者たる者は、策略や武勇を誇るものべきありません……』

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 天才ならではの、遠大な教育を施すナル師匠。

王者たれ
 両親の生存を知り焦る殿下に、ナルサスは直接的な打開策を説かず、その精神的成長を促す。
 彼は、強さも策略も部下に任せよという。

 まずは、殿下の目指されるものを明らかになさいませ

 王者とは「示す者」。
 そして、正しき政治理念を考え、現行政治の悪とは何かを考えよ、という。

 周囲に「自分達の行く末」を説けてこそ、仲間を募れる!

ギーヴ『追っ手の数は?』

ナルサス『五百騎といったところか?』

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 そんなアルスラーン一行、場面が変わったら500ものルシタニア兵に追われている絶望的状況!
 幸い、今は風上に向かって走っている事から
 弓矢の心配は無かったが―――

敵は、風に逆らって矢を打つ状況の為、とても当てにくい。

ルシタニア兵『なんだ、この笛は!?』『いかん!!』

『退け、退けぇ!!』

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 公然と、ルシタニアに反撃するとかいう命知らずな城塞へ。

カシャーン城塞の主
 が、実は一行は「味方の城塞」に向かって走っており、地の利を生かした迎撃が行われ
 たかが500のルシタニア騎兵隊、総崩れに。

 一行は城塞の主に出迎えられ、華美な歓待を受ける

 これがサブタイの城塞。
 そして、パルスの「一般的城主」の姿なのか。

 いかにも奸臣ですが、自分が「匿っている側」で相手は幼い王子、そりゃあねぇ……。

ホディール城主『時に殿下? 私には娘がおります――――』

『歳は13、もし殿下の傍に仕えさせ頂けるなら』

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 意外な言葉だったらしく、思わず噴出す殿下かわいい。

転がり込んだ「幸運」
 また、僅かな共しか連れず偉ぶらない、そんなアルスラーン殿下に気を大きくしたのか
 城主は、自身の娘を仕えさせて欲しいと口にする
 要は嫁がせたいのだ。

 前後しますが、城主の望みは「王の外戚、父となって権力にありつく」こと。

 パルスの逆転勝利を疑っていない
 むしろ、今回の件を、チャンスと見てさえいる節のある人物。

 楽観的かもしれません。

ホディール城主『殿下は、どうなさるおつもりですか?』

殿下『私は志を明かし援軍を集める――――、まず、奴隷を解放する!』

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 しかしそれ以上に楽観的な殿下は、王都以上に「奴隷を大量に従える城主」に、奴隷解放を告げた。
 悪癖を正す事で、味方を集められるはずだと信じ
 いきなり「答え」を告げる殿下

 むろん、城主は口では褒め称えたのだったが、彼が不本意なのは明らかだった。

 冒頭ナルさんに諭され、焦っちゃってます殿下…!

ナルサス『敢えて殿下を、我々と引き離した――――』

ダリューン『それをいまさら言うか!』

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 しかしナルサス、度胸があるのう。

ホディールの狙い
 食後、殿下はナルサスらと引き離されるが、彼も「城主の狙いは“王の父となる”事」だと推察し
 ひとまず危険は無いと黙認する

 では殿下、どうか私の申し上げた事を熟考なさいますよう……

 果たして、殿下は独りでホディールに接触を受け
 二つの条件を提示された

ダリューン『バルコニーを渡ってくるなど……ッ!』

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 弱った殿下は、バレずにダリューンらと相談をするべく、城壁伝いに歩いて部屋を移動……!
 危ない! いらんところで「殿下死亡、アルスラーン戦記・完」
 って、なるところだった!

 そしてダリューン、心配の仕方がギャグ漫画だ!

殿下『全く、彼は何を考えているのか…、その娘とやらに会った事も無いのに』

一同『『『『――――ん?』』』』

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 奴隷解放とか止めなさいなと言われたと聞き、ムッとするエラムさん。

行動開始!
 条件は、「娘を妃にする」「奴隷解放は止める」の二つで、ナルサスは城主がすぐ行動すると推察
 ギーヴとエラムに、策と手配を頼む。

 ジンが、窓から足を出せと囁いておる……!

 メッセンジャーのギーヴさん、こちらも危うく死にかける事案。
 まったく、無駄にキラキラするから!

 しかし「ジン(精霊)」の宣告って、意外にマジっぽい?

 魔術が実在するんでしょうか。

ダリューン『殿下が、先王オスロエスの遺児という事はあるまいな…?』

ナルサス『―――殿下のご誕生時期から、その可能性は無い』

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 また、ヴァフリーズ翁が「殿下個人に忠誠を」と願った意味を、ダリューンはつらつらと考える
 視聴者的には、銀仮面が“簒奪された先王の遺児”と思う為
 むしろ、意外な発想……。

 いずれにせよ殿下は、「本来は王位争いに不利な立場」だと、ヴァフリーズ翁は知っていた?

 あの人、かなり事情を知ってたようですが……。

城主『アルスラーン殿下、お休みのところを……、!?』

『殿下、ダリューンら“害となる者共”をこれから始末いたします』

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※エラム君が一晩足らずでやってくれました。

守旧派の強行
 やがて、「ナルサスの奴隷解放」を知っていた城主は、それを殿下が吹き込まれたと行動を開始
 彼らを殺害し、自分が新たな部下となると言うが――――

 ナルサスの悪口をお主は言い立てる…、だけどナルサスは騙し討ちなどしなかったぞ!

 彼らへの信頼を言い切る殿下
 ダリューンらも応え、城から出ようと動く。

 また、ナルサスの策で「弓の弦」に細工が施されており――――。

 エラム君、有能すぎィ!

ナルサス『ご城主? こちらには弓矢もあれば射手もいる。門を開いて貰えるか』

城主『このままでは私は逆族だ! そうなって堪るかッ!』

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 これはクラス「ジェネラル」だわ。

ええい上様とて構わぬ!
 一方的に、弓矢で城主を狙える王子一行に、城主は「全ての明かりをひっくり返す」よう指示!
 数に勝る以上、暗がりで乱戦に持ち込もうとする

 王太子を捕らえよ!

 おお、完全に水戸黄門になってきたぞ!
 この城主ノリノリだ!

ダリューン『ホディール! 問罪天使の前に出て、生前の罪を告白するがいい!』

『自分は裏切ってはならぬものを、全て裏切りましたとなッ!』

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 明かりを落せば、敵弓兵は無力化できる……、そう思っていた頃が私にもありました。

閻魔様のお裁き
 が、乱戦にあって狭く暗い状況は、むしろアルスラーン一行の助けとなってしまった。
 戦慣れせぬ田舎軍隊は、敵の強さに思わず怯み――――

 お前達の主君は死んだ! これ以上、死者の為に戦うのか!

 狭い中、城主はあっさり間合いを詰められ、一騎当千のダリューンに切り捨てられる羽目に……!
 部下らは戦意を失う。

 もう戦っても、意味が無いのは解っているのだ。

殿下『さあ行くがいい、お前達はもう自由なのだからっ!!』

奴隷たち『殺したというのか……?』

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 だが、むしろ素朴な奴隷たちは「主を殺された」という事にこそ激昂、殿下を殺そうとする!
 部下の自由民と真逆に、純粋な忠誠心で怒る!

 なんだと!? ご主人さまの仇だーーーーー!

 殿下は危うく死に掛け、現実を知る。

殿下『ナルサス、お主はこうなる事が解っていたのか……?』

ナルサス『はい…。先にそう申し上げても、殿下は納得なさらないでしょう』

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 結局、不満があっても「現状変更」は難しいという事。

理想と現実を知って
 実は、五年前に「奴隷解放」したナルサスも、その後、奴隷達が望んで奴隷に戻ったと知った。
 机上の正しさ、善意は現実に勝てなかった。

 正義とは、太陽ではなく星のようなものかもしれません。数限りなくあり、互いに光を打ち消しあいます

 正しさとは唯一ではない。
 だが、殿下が「正しくあろう」とする姿を、ナルサスは気に入っていた。

 彼は現実を見せた上で、なお「大道」を歩むよう諭す――――。

『(この頼もしい五人が、いつまで自分についてきてくれるのだろうか)』

『(彼らが愛想を尽かす前に、立派な君主とならなければ!)』

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※約一名、いつでも抜けてやると思ってる人が混ざってます。

そして少年は王を目指す
 ナルサスの行いは、殿下が「現実」を知ってなお屈しない、理想を目指し続けると信じた上。
 その信頼に、アルスラーンは一刻も早く応えねば
 そう自身を鼓舞する。

 目指すはペシャワール城塞、二人の万騎長が詰めている城塞だ……!

 忠臣が詰める重要な城塞。
 王都陥落前、彼らが「援軍」と頼みにしていた、相当な戦力が駐留する要塞と思われます。

老将バフマン『ヴァフリーズ殿…、何故こんなとんでもなく重い置き土産を』

『ワシのような無能者に残しておかれたのだ……』

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 その城塞では、アルスラーンの「祖父王」の代から仕える老将がボヤく。
 あの頃、死んでいたほうがマシだったと。

 同じ頃からの友、大将軍ヴァフリーズは、彼に「とんでもなく重い真実」を遺したらしい。

 殿下と銀仮面ヒルメスの真実か?
 いずれにせよ、自身を無能と嘲弄する老将軍、これは間違いなく有能だ…!

予告『ギーヴはボヤいた、三組に分かれるならファランギースの共が良かった』

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 大今良時さん、先頃、作者の意向通りスッパリ完結した話題作「聲の形」の作者さん

守旧派を切り捨て、得たものは?
 次回、やはり「万騎長が残ったペシャワール要塞」への道程となるらしく、到着が今期の山場か。
 その要塞には、先々王から仕えていたという老将軍が待ち
 ヴァフ翁から託された真実が……。

 今回は、欲にかられ、「殿下に現実を教える教材」に使われてしまった哀れな城主の話。

 仲間への信頼
 理想に揺るがない殿下が清々しい
 ですが、世界観的には、むしろ「普通よりマシな城主だった」らしいのが切ない…。

 公然と歯向かった以上、ルシタニアに滅ぼされますよね、このお城……。

 次回、第十一章「ペシャワールへの道」
 ルシタニアにも騒乱!



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