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Channel: GNO2及びGNO3 連邦 情報部 こっそり日記
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アルドノア・ゼロ 最終話「いつか見た流星 -Inherit the Stars-」感想、終戦エンド。すっきりしてるけどすっきりしない完結へ。

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地球は資源を、火星はアルドノアを供給しあい、穏やかに和平エンド

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 ただアセイラムの政権が正しいと証明すべく、自分の政権を崩壊させる指導者失格のスレイン。
 それでも、損得抜きで戻ってきてくれたハークライト達が
 なんだかすごく嬉しい回でした。

 一期は独りで戦い、二期は「下賎な地球人」という罵倒に備え、常に強気でいなければならなかったスレイン。

もやもやする結末
 そんな彼を、事情を知るザーツ城の人たちが「放っておけない」と思ってくれたのが嬉しかった。
 でも、スレインが報われないのは当たり前だと解りますが
 このオチはすっきりしない。

 すごく無難だと思うけれど、やっぱり妙にすっきりしない。そんな最終話。

火星騎士『やはりな? 下賎な生まれが王朝に関わろうなど畏れ多いわ!』

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 反応は様々、和平宣言に火星騎士らは混乱する

結ばれる星、別れる三人
 アセイラムの女王即位、アルドノア権限掌握に伴い、火星騎士は「和平」を受け入れる他なくなった。
 侵攻を望む騎士は、スレインの次なる言葉に期待をかけるが
 彼は自らの政権を崩壊させる。

 アセイラムの正統性を示す為、スレインは自らの政権を放棄し、戦死を選んだのだ。

 結果、アセイラム暗殺を含む全責任は彼に押し付けられ
 両国は和平を結ぶ。

 密かに生かされたスレイン、軍人となった伊奈帆、女王としてのアセイラムは、それぞれの道を歩み始める。

地球軍総大将『月面基地を見捨てたか……、それとも割れたか?』

スレイン『まさかな……、そんな手を使うとは』

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 思わず微笑むのがスレインらしい。

「女王」という事
 当初、アセイラムの発言に驚愕したスレインだったが、すぐに、嬉しそうな微笑へと変わった。
 もう和平は実現可能な段階に来た、と。

 アルドノア起動権を握る女王となれば、もう彼女の発言は無視されなくなる。

 地球側も彼女を狙う動きは起こさず
 なら、もう彼女の夢に立ちはだかっているのは、自分しか居ないとスレインは理解したんでしょうか?

レムリナ『大切なのは血、起動権さえあれば、貴方の夢は叶うのではなくて?』

『私ならどこへも行きませんよ?』

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 取引を持ちかけつつも、目をそらしてしまうレムリナ。

「自由な乙女」の訴え
 かくて、アセイラムが「王族の義務」として和平に身を捧げたのに対し、レムリナは自由に振舞う。
 自分を利用しなさい、そう直言するレムリナ。

 そうですね、ご厚情感謝します、レムリナ姫。行きましょう。

 スレインの言葉に、ぱっと顔を明るくする姫。
 しかし、彼女はまだ気付いてない。

第18話でのレムリナ『いずれは、本当にあなたの夢が叶うかもしれませんね』

スレイン『私に夢など……』

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 以前から勘違いしっぱなしなんですが、スレイン自身には、「夢」なんて無いんですという話。
 自分のように、冷遇されたから恨みを晴らしたいとか
 居場所を作りたいとかじゃない。

 笑いあってますが、既に交渉決裂しているとレムリナが気付かない、のが切ない。

スレイン『私は、あの光の中を飛びながら、いろいろなものを見ました』

『未来です、見えるのは、ほんの少し先の事だけ……』

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 そこからの道中、レムリナの言葉をきっかけに、自分は先の事を見ていたつもりだったけど
 本当に大切なものが、見えていなかったと述懐するスレイン。

 その機体特性が“先読み”というのは、むしろ制作側の皮肉だったんですね。

スレイン『聞け! 総員、十分以内に月面基地より離脱!』

『揚陸城と共に、連合軍に投降せよ!』

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※忘れがちですが、14話冒頭の通り「低重力なら」偽姫様は歩けます

野望の終わり
 やがて、レムリナを「港」まで連れて行ったスレインは、全員に脱出と投降を発令した。
 これにより、火星騎士はアセイラムの命令に従う他なくなる。

 スレインの独立王朝は、自ら滅ぶ事で、アセイラムの正当性と和平を助けた。

 彼自身は、基地と運命を共に。
 泣き叫ぶレムリナは、忠臣・ハークライトにより助け出される。

 やっぱりスレイン自身には「夢」などなく、姫の夢の最善策を採ってしまうのだった。

ハークライト『申し訳ありませんが、スレイン様、その命令はお受けできません』

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 巻き込まれた側はいい迷惑でもありますが。

転進する“ハーシェル”
 しかし、ハークライト以下、ステイギス隊の面々は転進しスレインの元へ。
 共に玉砕する道を選ぶ。

 王道ですが、あのスレインの為に、死んでもいいと言ってくれる仲間が出来たのが嬉しかったです。

 一期の頃は、蔑視され鞭で叩かれ、独りで戦っていたスレインですから。
 だから、理屈抜きで戦ってくれる人が出来たのが
 私は嬉しかったです。

 偽アセイラムなどの一連の共謀者で、劇中時間で二年近く一緒に過ごしてきた人たちなんだよな、と。

伊奈帆『迎えに来た、スレイン・トロイヤード』

スレイン『決着をつけるぞ、界塚伊奈帆ッ!』

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 ホントは、姫に頼まれて助けに来たんだよって、早く言えよ伊奈帆ォ!

無意味の極地
 やがて、現れた伊奈帆に呼応してスレインも出撃、客観的には何の価値も無い決戦が始まった。
 それでも譲れない、最後の決戦!

 予測イメージは全てカットだ…、もう僕に、未来なんて必要ないッ!

 タルシスの「予知」は、早々に被弾して無力化
 伊奈帆の義眼も機能不全に。

 ここぞと、燃える鞠戸大尉とマリ姉の奮戦、決死のハークライト&バルークルスの死闘!

伊奈帆『これ以上戦っても、得るものは無い』

スレイン『ああ、だが失うものも無い!』

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 次々と刃を換装し迎え撃つ伊奈帆!足利義輝公か君は!

ファイナル伊奈帆祭り
 最終戦、伊奈帆の装備は無数の「刃」を次々と交換し、常に最高の切れ味を維持する実体剣!
 その連撃によく耐えるも、タルシスの剣はヘシ折れてしまう。

 解ってないな……、これは最も求めた選択だッ! ずっと…、ずっと目障りだったんだ、その色がッ!

 だがスレイン、刀がなけりゃ拳で殴る男の一撃!
 そして伊奈帆カウンター!

 伊奈帆機は頭部を、スレインはコクピットを強打され戦闘不能に陥る――――。

バルークルス『―――なかなかやるものだな、地球の連中も…』

ハークライト『ええ…、スレイン様の、生まれ故郷ですから』

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 初めて知りましたが、火星の量産機は「中央部のみ有人、それ以外は遠隔操縦」だった模様。

スレイン派の挽歌
 一方、ハークライトらの男気に共感したバルークルス以下、スレイン軍は最後の特攻を敢行。
 これを以って、生死不明となってしまう。

 オリンポスの砂嵐には逆らうなかれか……、どうやら、風を読み間違えたらしい

 強い者には従う。
 そういう助平心だったはずが、気がつけば最後まで笑って一緒に戦ってくれたバルークルス卿。

 でも、見捨てていくよりは気持ちよい終わりだったと思います、私。

スレイン『一緒に死ぬつもりか……、燃え尽きるぞ…?』

伊奈帆『カタクラフトは高密度だ、アブレーター(断熱材)として十分に働く』

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 この二人、一話目で揚陸城落下を「流れ星」と笑っていた二人らしい。

いつか見た流星
 やがて、スレイン機は大気圏へと落下を始めるが、伊奈帆はその手を掴み軌道を修正した。
 角度調整次第では、熱分解する事で熱を逃がすという断熱材
 アブレーター代わりになるのだ、と。

 地球に落着した二人は、一期ラストと逆の構図で向き合う事になる!

 もちろん伊奈帆は撃つことなく
 そのまま、場面は「戦後」の時間へと移ってゆく。

TV解説者『そのトロイヤード博士の息子が、アセイラム女王の暗殺を目論み』

『第二次、惑星間戦争の発端を作ったとは皮肉な事です――――』

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 このラスト、あなたは許せる? 許せない?

新時代の幕開け
 結局、「侵攻側」だった火星が和平を言い出したことで、劣勢だった地球側もこれを受け入れた。
 侵攻の原因も、全てはスレインの責任に。

 この輝きが地球とヴァースの平和の架け橋となる事を願って……、目覚めよ!

 アルドノアの普遍化も研究され
 ひいては、その有無が地位の差を築いた、火星の社会体制も変化の兆しが見える事になった。

 逆に地球が火星を攻めようにも遠すぎる距離が壁になるし、ハッピーエンドか……?

スレイン『もう良いだろ…、騙した、奪った、殺した、多くの仲間を犠牲にした……』

伊奈帆『ダメだ。君は生きるんだ』

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 ホントもうどうすんでしょう、この後……。

もう一つの戦後
 一方、表向きは戦死した事になったスレインは、アセイラムたっての望みで救われていた。
 もちろん自由こそ無いけれど。

 どうか、スレインを…、スレイン・トロイヤードを救ってあげてください…、彼を不幸の連鎖から、どうか…

 二期での、伊奈帆とアセイラム最初で最後の邂逅のシーンで
 そんな事まで頼んでいたのか……。

 真実を告げられたスレインは少しだけ元気になったらしいが、もうメンタル的にも社会的にも………

クランカイン『すごい…、どこまでも続く蒼い空と海、なんて美しい…!』

女王『―――以前、地球で教えていただきました。美しい思い出です…』

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 君が見る夢は
 古いインクで紙に書いた祈りのよう
 小さなその手が縋るものも
 今はまだ何処にも無い

 それでも君の行く道を
 奇麗なものは奇麗なままで
 守り続けたいと思うよ

 空と水が星を染めて
 淡く虹を描いて散って
 眩しい夜 君が歌う
 声は何処まで届くのだろう

 憧れの住まう
 蒼い星のひかり
 ただ僕らは恋をして

 たったひとつの未来の為に
 今の全て奏でてみる
 
 君が夢見るなら
 側に立って
 同じ彼方へ手を伸ばすよ
 君が信じた静かな空に
 いつか僕も届くだろう
 何処までも眩しい
 heavenly blue

君が夢見るなら 側に立って 同じ彼方へ手を伸ばすよ

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 ラストは一期オープニングですが、TVサイズに続き、2番をざっくり削ってラストだけを付与

君の行く道を守る
 この曲の1番、叶わない願いを抱く人の為に、手を汚す人の歌なんですよね。
 姫の、誰にも読み取れない聞き取れない願いの為に
 手を汚して守る人の歌。

 そりゃ要するに、「その願いは尊いけど奇麗事だ」と思ってる、そういう歌。

 でもラストは「守る」んじゃない
 同じように側に立って、同じように眩しい願いに手を伸ばすんだ、っていうのが良いなと思いました。

最終話。二期オープニングで「手を伸ばす二人」は何だったんだ……?

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 通常オープニングのラスト、アセイラムの危機に共闘して共に機体大破エンドだと思ったのに……。

もやもやする結末
 一期は、伊奈帆的に言えば伊奈帆は、生き抜く為にアセイラムを「利用」し、生死不明の状態に。
 二期では、その時は激怒したスレインが「利用する側」に回り―――
 両者が逆転してたんですね。

 そんでラストは、姫が「姫としての立場を自ら利用し」政略結婚エンド。

 そう三人とも理解しているから
 それぞれが、納得した顔で終わりを迎えたんだろうなって。

 単に伊奈帆が姫様に惚れて追っかけまわしてましたってだけじゃないから、納得したんだろうなって。

 セラムさんが、自分の立場で「自分がしたいこと」をやった。
 そう理解しているんだ、と。

 私はそう捉えたから、すっきり終わったと思いました。
 でも、もっと自分に正直になってもいいのよ?と思ってしまうのが人の常ですよね。

 最後に劇場版とかやってハッピーエンドしそうな雰囲気を感じましたが、さて本当に終わりなのか?




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