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Channel: GNO2及びGNO3 連邦 情報部 こっそり日記
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のうりん 10巻 [白鳥士郎] 感想。インターンシップ(企業研修)から思い知る、農業高校と「就農」問題。マネー金上回もあるよ!

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 農業高校ライトノベル、アニメ版+八巻~十巻のみ購読。

農業高校はあるのに、「農家の担い手が居ない」。その矛盾の答えは

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※画像右下隅クリックで拡大。

 またも強烈なガンダムネタ展開、二ページに一回は噴出すネタのごった煮のようなライトノベル!
 からの、後半へ行くに従いぐっと重くなる展開
 これは本作の定番ですが……。

 何より重いのは、農業高校に「就農の求人が来ない」という過酷な現実。

「企業研修」の体験巻
 そこから、自分がなりたいものはなんだろうと探していく巻、耕作は実家が農家じゃないですしね。
 前述の通り、インターンシップの話はとにかく面白く
 また興味深いものでした!

 が、「何になろうかな?」からの「何にもなれないんじゃないか?」って展開は、辛く面白かったです。

生徒会長『単純に計算すれば、農業関係の求人は1校あたり2.3人です』

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 なお、帯の煽り文「ベッキー結婚」なんてファンタジーですので、ご安心下さい。

就農者
 同じく農業漫画「銀の匙」のように、実家が農業やってるからというケースとはまた違う
 農高に入っても、そこに全く「求人がこない」という話。

 農業系学科は全国に300校はあるそうですから、若い農業の担い手はちゃんといるんですよ。

 しかし、前述の理由から実家が農家じゃない人間は、就農する事ができない
 卒業起業なんて、ほぼ不可能。

 それを知り、そこに可能性・折り合いをつける難しさを知り、なお希望を抱く耕作。カッコ良かった!

やたら濃かった「大学生キャラ」は、作者さんの旧作から

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 というファンサービスも。

「農業」への手法の違い
 あとがきでも触れられてますが、インターンシップもTPPへの対抗策、生き残り策という意識もあって
 ホルスタインから「黒毛和牛」を生ませるという技術など
 興味深い話の連続。

 特に和牛云々は、牛を「商品」にする事を、更に一歩推し進めた恐ろしいお話。

 そこに抱く当然の嫌悪感とか
 それに対する、「命を犠牲にしないため」という考え方とか、とにかく面白い話でした。

収録

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 マネー金上回は内容も良かったですし、金上さんのヘタレ属性が更に強化されて、可愛すぎたッ!
 あと、完全に「VガンダムのDVD発売時の富野監督」も登場
 実に酷かったですね!(褒め言葉)

 GA文庫「のうりん 10巻」。
 SBクリエイティブ発行。白鳥士郎、挿絵:切符。2015年3月発売(前巻2014年7月)。

 第0限「わたしのゆめ」
 第1限「底辺ズ<ボトムズ>」
 第2限「ベキ婚」
 第3限「和牛一族の陰謀」
 第4限「Jのレコンギスタ」
 第5限「サーバントサービス」
 第6限「農業大学校に行こう!」
 第7限「らじかるユニバーシティ」
 第8限「バクノウ。」
 第9限「農場のメリークリスマス」

 あと※がき
 第X限「クリスマス・プレゼント」

 ラストのショート「次巻予告」っぽいのは、林檎のアイドル時代に触れたもの。つまり……?



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