ALDNOAH ZERO -アルドノア・ゼロ- 第8話「鳥を見た日 -Then and Now-」感想

「黒い鳥」、飛ぶ！。スレインの孤独な戦い、またも不幸を呼ぶ第8話

　スタッフの人は、どんだけスレイン君に業を背負わせりゃ気が済むのだ！クルーテオ卿、生きていて！
　そんな思いを抱かずにはいられない第8話。
　しかし生存は絶望的か……？

　姫は、地球との平和を望んでおられたのに……、あなたは、姫の死を利用して、姫の夢を壊している！

■そして、さて
　サブタイトルの通り、「あれから何が起こったか」という幕間劇。
　黒い鳥、ディオスクリアが禍々しい！
　禍々しくも美しい！

　ザーツ卿、かなり強引でしたが「休戦」を口にしたクルーテオは、死して汚名を着せられたのでしょうか？

ザーツバルム卿『死んでしまっては元も子もない』

　スレイン君、今週はひたすら耐えます。耐え抜きます。良い子すぎる。

■真相を葬る者
　正体を明かしたアセイラム姫は、空中戦艦デューカリオンと共に地球軍本部へ向う。
　一方、火星に囚われたスレインは拷問を受けるが
　頑として吐かなかった。

　だが、いよいよ怒ったクルーテオがスレインを殺そうとした時、ザーツバルムが自らスレインを救う！

　寸前に真相を聞いたクルーテオだったが
　強襲を受けた彼の揚陸城は、そのまま機能を停止してしまう。

　それはまるで、揚陸城の動力を制御する「騎士」がいなくなった証であるかのようだった。

　次回、第9話。

『アセイラム・ヴァース・アリューシアの名において、目覚めよ“アルドノア”！』

　銃口を突きつけられても、まるで怯まぬ姫さま。クソ度胸！

■戦艦「デューカリオン」
　種子島に放置されていた空中戦艦が、動かないと知った艦長は落胆していました。
　が、姫様によって艦は目覚めたという訳ですが……。

　どうもこの艦、大破した火星カタクラフトから「動力」を移設した地球戦艦らしい。

　どうも、「アルドノアの個別名」がデューカリオンなのかもしれません。
　艦名は火星機の名前をそのまま継承
　それがデューカリオン。

　完成はしたものの、要の「アルドノア動力」がどうしても動かず、そのまま放置されていたようです。

艦長『火星騎士が殿下の暗殺を……？にわかには信じ難いお話です』

　殺された父を思い、ライエ、涙。

■私は信じない
　種子島から逃げ延びたデューカリオンは、北へ、ロシアの地球連合総本部へ移動。
　そこで、堂々と姫の生存を明かす向きとなります。

　故意に報告しませんでした。

　この件を知る四人が召集され、責められたものの「暗殺者が居るかもしれない」と弁解。
　中でも、ライエは「火星人は絶対に信じられない」と強弁。

　火星に詳しすぎる少女ライエ、気まずい姫様、隠す気の無さ／ゼロ。

今週の大尉『酒をくれれば、もっと良くなるんだがな？』

　一方、ここ最近の大尉は「病のぶり返し」が原因との事。
　第一話から医者と一緒ですしね。

　状況から見るに、十五年前に「艦長の兄を殺した＜そして救った＞」何かがあった。

　その事がトラウマであるようです。
　ベトナム戦争が有名ですが、戦争帰り特有のトラウマ。

　もっとも、この人が「生徒が居る！」と言い張ったから伊奈帆たちが助かったのですけれども。

姫さま『鳥？空を飛ぶ生き物…？地球に行けば見る事が出来るのですね？』

　五年前とすると、当時まだ小学生くらいの年齢でしょうか？幼い。

■そして、現在
　クルーテオ城に連れ戻されたスレインは、ザーツバルムの心配げな視線の下、絶賛拷問中。
　しかし拷問中に夢を見た、姫様に「鳥」を教えたときの事。

　悲しいですね、一緒に繁栄する事が出来ないなんて――――。

　十五年前に大戦があった
　だが、その結果「人が住まなくなった」土地ほど、自然が豊かになっていると聞き、姫様は悲しむ。

　スレインの言葉に憂えた姫を、彼は必死に励ました。

スレイン『伯爵は、姫を、お慕いしていますか…、味方ですか……？』

『貴様の、地球の仲間にさらなる恐怖を味あわせてやろう！』

　それにしてもこの騎士、ノリノリである。

■クルーテオの怒り
　姫が、どこまでも「共存」を願っていたと知るスレインだったが
　クルーテオは「戦い」しか口にしなかった。

　姫は、地球との平和を望んでおられたのに……、あなたは、姫の死を利用して、姫の夢を壊している！

　姫を理解している程
　良識がある程、スレインの言葉は否定できないはずです。

　振り絞るように怒るスレイン、図星を突かれたクルーテオ卿は、怒りに任せて鞭を振るってしまいます。

『伊奈帆、火星人が紛れ込んでるって知ってたのか！俺がオコジョの仇を！』

『私がその、火星の皇女です―――』

　カーム君に癒される。まっすぐな子って良いよね……。

■カーム君、すっ転ぶ
　スレイン君の拷問がイジメと化していた頃
　地球側の「恨みに燃える少年」、カーム君が急軟化する事案が発生。

「カタキ討つんじゃなかったのぉ？」「火星人は、全員敵だって言ってなかったぁ？」

　それだけ、地球には「火星人」への認識が乏しいのでしょうね。
　知識があっても、彼らを「知らない」。

　解り易すぎて笑えますが、きっと、「火星人側」にも言える事なのかもしれません。

伊奈帆『種子島で会った火星人、あなたの事を探していました』

『―――そして、あなたが“利用される事”を恐れていた』

　憧れの住まう、蒼い星。そんなワンシーン。

■鳥を見た日
　地球に興味津々な火星人、アセイラムですら地球の事をよく知らない。
　きっと、火星の人も「地球人」をよく知らない。
　カーム君のように。

　そんな中、伊奈帆は「コウモリ」の事を姫様に話し、姫様は「それって」と言い掛けた。

　地球の事を、スレインという少年に教えてもらった
　そう嬉しそうに姫は語ります。

余談。伊奈帆から見た「コウモリ」

　別に、セラムさんの為に戦ったわけじゃない。

■「全員」で生き残る為に
　やっぱり伊奈帆は、コウモリ、スレイン君を「暗殺者」だなんて思っていないと思います。
　状況的にも、暗殺者としては装備が貧弱だったし
　あらゆる意味で素直すぎる。

　それでも「コウモリは姫様を大切に思っている」。

　これが伊奈帆「達」にとっては障害になりえると考えたからこそ、「敵」と呼んだのではないでしょうか。

スレイン『姫を利用しようとする奴らの、好きにさせてはいけない……』

『それが火星人であっても、地球人であっても………』

　一応、ザーツバルムは「殺せ」と言った場面で退場。

■何が可笑しい！
　一方、アセイラム姫を一切の危険から守るべく、スレインは再び覚悟を完了。
　ちょうどその時「デューカリオン」の残骸が発見。
　戦艦と一緒にあった残骸ですね。

　やつらに、アルドノアを起動する事は出来ぬ。

　ですが、真相を知るスレインは笑い
　クルーテオは激昂。

　場面的に、いよいよスレインの命が危ういと悟ったのか、ザーツバルムは姿を消します。

クルーテオ『まさか……、貴様は一人で姫を探していたのか……！？』

『クルーテオ伯爵！軌道上より接近する物体が！』

　親方！空からカタクラフトが！

■真実は仇に
　スレインが笑い、怒らせた事は、結果として「クルーテオに真相を知らせる事」になります。
　ですが、真相を知って休戦宣言を出した直後
　黒いカタクラフトが襲来！

　ザーツバルム卿の可変型カタクラフトは、真実を悟ったクルーテオ卿に凶刃を！

　そのままスレインを連れ去るザーツバルム。
　結果として、再び「スレインの行動が、周囲に不幸を振りまく」結果に…………。不憫すぎる。

クルーテオ卿の生死、ザーツバルムの狙い

　クルーテオは「休戦宣言＝地球と通じた裏切り者」扱いか？

■狙い
　スレインが助かった理由は「アルドノア研究者の息子」ゆえでしょう。

　考えすぎかもしれませんが、もしや、スレインは「アルドノア起動資格」を持っているのか？
　姫さまという貴重な「資格者」を暗殺しようとしたわけですし
　一応、話は噛みあいます。

　アレ、これもしてかしてスレイン君ラスボス化フラグ？

余談。揚陸城の「電源が死んでいる」

　ディオスクリアが飛び去るシーンだと、揚陸城の明かりが消えているんですよね。
　これって、アルドノアドライブが停止しているという事？
　つまりクルーテオは……

　でも、cv速水さんなんですよ！？なんだよですだぜ！？

鳥にはしゃぐ姫、黒い鳥に連れ去られるスレイン、それから……

　Then and Now。

■それから
　スレイン君の戦う理由を改めて見つめなおし、それから現在へとつないだ第8話。
　内容的には、7話目の後始末、波紋が広がってゆく話。

　やはり不幸を呼んでしまうスレイン君！

　状況的に、ザーツは「クルーテオに真相を話した事」は知らないはずですが
　クルーテオ卿も生存は絶望的……。
　その影響は？

　このまま火星サイドはザッツさんの思いのままなのか！？
　そして地球上層部はマトモなのか！？